ネパール(2015年ネパール地震 救援・復興支援事業)

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がれきの上に座る親子 ©Palani Mohan

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ネパールの首都カトマンズの北西約77キロメートルを震源として2015年4月25日の現地時間11時56分、マグニチュード7.8の地震が発生しました。また、その後の5月12日にも、カトマンズを挟んだ東側でマグニチュード7.3の地震が発生しました。

死者数は8856人、全壊または半壊した家屋は合計で約89万戸に上り、地震によって影響を受けた人びとは560万人と報告されています(2016年4月現在、国際赤十字・赤新月社連盟 発表)。

最新情報

2016年4月25日  ネパール地震:発生から1年が経過

1.日本赤十字社による支援

日本赤十字社(以下、日赤)は2015年4月27日~7月31日の約3カ月間にわたり、「2015年ネパール地震救援金」を受け付けました。

募集実績(最終額) 2,024,910,751

皆さまから寄せられた救援金をもとに、以下の活動を通して被災者の支援を行っていきます。

ネパール地震救援・復興支援計画(暫定) (※2016年12月1日現在)
分類 項目 金額
緊急救援(約4億1800万円) 保健医療チームの派遣と資機材の現地供与 約2億7100万円
物資支援 約3600万円
国際赤十字による救援活動に対する支援 約1億円
その他緊急救援費
(先遣隊・調整要員等派遣)
約1100万円    

復興支援(約14億6500万円)

住宅再建支援事業 5億2500万円
地域保健再生事業 1億6000万円
水と衛生、生計支援事業 2億円
血液センター支援事業 5000万円
学校再建事業 1億円
ネパール赤十字社能力強化支援事業 5000万円
復興支援本部(ERO)支援費等 約1億4600万円
日赤ネパール事務所運営費等 約1億6900万円
その他復興支援費(予備費) 6500万円
本社事務費(約1億4100万円) 本社人件費、受領書発行費等 約6900万円
広報費、予備費等 約7200万円
合計 約20億2400万円

(1)復興支援 ≪2015年~実施中≫

ネパールが復興するまでには時間を要します。日赤はネパール・カトマンズ市に現地事務所を2015年9月に開設し、ネパール赤十字社(以下、ネパール赤)や国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)と協力しながら、長期的な復興を見据えた支援を展開しています。日赤の復興支援は、緊急救援に引き続き、地震によって大きな被害を受けたシンドパルチョーク郡を対象としています。

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             地震で被害を受けたシンドパルチョーク群の様子

<復興支援全体の関連トピックス>

2016年4月25日  NEW! ネパール地震:発生から1年が経過

1)復興支援内容一覧

住宅再建支援事業<事業実施中>

地震で住宅を失った被災者を対象として、以下を中核とした支援を実施します。

  1. ネパール政府のガイドラインに沿った給付金の配布

  2. 啓発や大工研修等を通じた被災者の能力強化

郡内の支援対象地域:タンパルダップ地区、タンパルコット地区(対象世帯:約1,500世帯)

地域保健再生事業<事業実施中>

郡内で最も被害が大きかった山間部の診療所(ヘルスポスト)を再建し、地震で失われた基礎保健サービスの回復を目指します。

郡内の支援対象診療所:計14棟

水と衛生、生計支援事業<事業内容調整中>
血液センター支援事業<事業内容調整中>
学校再建事業<事業内容調整中>
ネパール赤十字社能力強化支援事業<事業内容調整中>

2)日赤ネパール事務所概要

代表 新野智子
事務所スタッフ 5名(日赤職員3名、現地雇用職員2名)
事務所住所 ネパール カトマンズ市内(ネパール赤十字社近く)
お問い合わせ 03-3437-7089(国際部開発協力課)

(2)緊急救援 ≪2015年4月~7月≫

日赤は職員1人を地震発生当日、医師・看護師ら4人を翌日にネパールに派遣し、シンドパルチョーク郡メラムチ村(カトマンズから北東へ約29キロメートル。車で約3時間の距離)で現地調査と医療活動を開始しました。

メラムチ地図

メラムチ村の位置

巡回診療の様子.JPGのサムネイル画像

保健医療チームの出動

さらに、連盟の発動要請を受けた日赤は保健医療チーム(緊急対応ユニット:ERU。※)を現地に向けて派遣。第114人が430日、現地に向けて出発し、51日から本格的に診療活動を開始しました。

その後、第2班を62日、第3班を77日に派遣し、731日までに以下の4つの分野を軸に保健医療活動を実施しました。

※緊急対応ユニットは、「ERU(Basic Health Care Emergency Response Unit)」と呼ばれ、最長4カ月にわたり、外部からの支援なしで保健医療活動が継続できるように、発電機やテント、食料などを備えた資機材も併せて輸送します。

1. 診療所での診療

シンドパルチョーク郡メラムチ村の診療所で、地元のスタッフとともに診療を行いました。

毎日150~200人が診療所を訪れ、7月31日までに1万4416人の患者を診療しました。

2. 巡回診療

メラムチ村周辺は山間地域であることから、診療所まで来ることが難しい人びとのために、医療チームが巡回訪問をし、診療を行いました。

7月22日までに1183人を診療しました。

3. 保健・衛生知識の普及活動

今後、住民が健康に対する意識を高め、健康や衛生的な生活環境に気を配りながら生活できるように『地域に根ざした地域保健と救急法(Community-Based Health and First Aid=CBHFA)』をはじめとする研修を実施しました。

7月22日までに1332人が参加しました。

4. こころのケア

専門要員を派遣し、精神的不安を訴える被災者に個別対応。7月22日までに3639人に対し、こころのケアを実施しました。

また、被災した子どもたちが日常生活に戻れるよう、遊びや学びの機会を提供。子どもたちがケアを受け、安心して過ごせる場所を設置しており、毎日40~80人が訪れました。

現地からの声

メラムチ村の人びとから、日赤の活動へのメッセージをいただきました。

チーティズ・サプコタさん:メラムチ村駐在医師

発災当初は多くの被災した患者が訪れ、また診療所のスタッフも被災している中で支援してもらい、 大変助かりました。特に、保健医療チームの皆さんは診療所だけでは対応しきれない患者を、日本の高い医療技術でフォローしてくれました。

今後は、現地スタッフで協力しながら、メラムチ村の人びとに必要な医療を提供していこうと考えています。本当にありがとうございました。

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ラチャナさん:診療所助産師

日赤と日本国民の皆さま、今回のネパール地震では診療所への支援を、 ありがとうございました。

保健医療チームのスタッフには、X線装置や超音波診断装置、外科的な処置について指導してもらい、多くの人命を救うことができました。    また、診療所には多くの薬剤が送られてきましたが、専門の薬剤師を派遣してもらい、多くの患者を受け入れる際に大変役に立ちました。

保健医療チームが日本へ戻った後も、指導してもらった診療技術を継続して提供していきます。

緊急救援活動の実績

2015年7月27日
ネパール地震救援: 発災から3カ月
2015年7月3日
ネパール地震救援: 発災から2カ月
2015年6月25日
ネパール地震救援: 発災から2カ月(動画)
2015年5月26日
ネパール地震救援: 発災から1カ月
2015年5月22日
「来てくれてよかった」~ネパールから感謝の声
2015年5月7日
(速報3)ネパール地震救援: 本格化する救援活動
2015年4月30日
(速報2)ネパール地震救援:緊急対応ユニット(ERU)保健医療チームが出動
2015年4月27日
(速報)ネパール地震救援

2.国際赤十字による緊急救援活動

災害に対応する赤十字の仕組み

赤十字では、ネパールで平時からボランティアによる地域に根付いた活動を展開しているネパール赤を中心に、連盟の調整の下で日赤を含む各国赤十字社がさまざまな分野で緊急救援活動を展開しました。より効果的・効率的な活動を展開すべく、ネパール政府や国連機関を含む外部団体とも調整・協力しました。

ネパール赤十字社

ネパール赤は地震を受け、直ちに災害対策本部を立ち上げ、延べ7970人のボランティアを動員し、政府の捜索・救出チームとともに対応に当たったほか、負傷者の応急手当を行いました。ネパール全75郡のうち、最も被害の大きかった14郡に災害対応チームを派遣。45郡の支部には初期即時被害調査の研修を受けたボランティアや職員が被害調査にあたるとともに、屋外に避難している人にビニールシートを配布しました。そのほか被災者に、食料や安全な水、衛生キット、テントなどの救援物資を配布しました。

国際赤十字・赤新月社連盟

連盟は発災直後からネパール赤と連絡を取り、発災当日のうちに災害対応緊急基金(DREF)から50万スイスフランを拠出しました。また、各国赤十字社に向けて、フィールド調査・救援調整チーム(FACT)や緊急対応ユニット(ERU)の派遣を要請しました。

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連盟は約41億5200万円の暫定的な救援アピールを4月27日に発出した後、5月16日にはその額を約110億5000万円に拡大しました。日赤はアピールに応じて1000万円の資金援助対応を実施するとともに、クアラルンプールに備蓄している救援物資のうち、4000万円分の支援を実施しました(支援内容:衛生キット2621個、毛布(ウール)1万2863枚、蚊帳(かや)3000張、ポリタンク2万個、ビニールシート1290枚)。

世界で発生する危機に対し、支援活動を展開する国連機関や赤十字、非政府組織などは、シェルター、保健、水と衛生など、支援の分野(クラスター)ごとに綿密な調整を取っています。これは「クラスター・アプローチ」と呼ばれ、各機関が個別に活動するのではなく、クラスターごとに関係機関の協力関係を構築し、支援活動の効果を高めるためのものです。それぞれのクラスターには、当該国政府とともに、クラスターを調整する機関が認定されています。連盟は、自然災害時に、緊急シェルター(仮設避難所)のクラスターを調整する役割を担っており、ネパールにおいても、ネパール国政府とともに、緊急シェルターを支援する関係機関の調整役となりました。

※連盟の活動の詳細は、連盟ウェブサイトも併せてご覧ください。

各国赤十字社

連盟の調整の下では表のとおり、各国赤十字社がそれぞれの強みを生かし、救援活動を行いました。

ERUユニット 役割 担当社
基礎保健   ユニット 基礎保健、診療所等を設置しての基本的な 医療、母子保健、予防接種等の実施
  1. 日本
  2. カナダ・フィリピン共同
  3. ドイツ・フランス共同
病院ユニット 大規模手術、入院を含む総合医療
  1. ノルウェー
ロジスティクス ユニット 救援物資の調達・保管や救援資機材の輸送
  1. スイス
  2. フィンランド・     デンマーク共同
IT・通信   ユニット 現地での通信環境の整備
  1. アメリカ・     ニュージーランド共同
給水・衛生    ユニット 生活用水や保健医療活動に必要な水の提供、  トイレの設置や下水処理等
  1. スペイン
  2. イギリス
物資配給   ユニット 受益者の登録と救援物資の配布
  1. アメリカ・デンマーク共同

赤十字国際委員会

赤十字国際委員会(ICRC)は、離散家族の再会・連絡回復支援や遺体の管理・処置、応急手当に尽力しました。ICRCの活動の詳細については、ICRC駐日事務所のウェブサイトとICRCジュネーブ本部のウェブサイトを併せてご覧ください。