米国(2013年米国中西部竜巻)

米国中西部竜巻の被害の概要

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アメリカ南部オクラホマ州で2013年5月20日、巨大な竜巻が発生し、広い範囲で多くの建物が破壊されるなどの深刻な被害をもたらしました。

竜巻の強さを、6段階中で最も強い「EF5」に相当するとの見方を示し、ムーア市内で24人が死亡、負傷者400人余り。本被害による被災総額は20億ドル(約2000億円)に上ります。

アメリカでは、同月15日にも南部テキサス州北部で、また、18日から19日にかけても中西部のカンザス州などで相次いで竜巻が発生しており、巨大な竜巻の連鎖が各地で被害をもたらしました。

米国赤十字社の支援

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米赤からの食料支援を受け取る被災者

緊急救援

米国赤十字社(以下、米赤)の2500人の救援スタッフ(9割がボランティア)が、被災直後の食料配給から避難所運営や救援物資の配布、がれきの撤去など、迅速な緊急支援を行いました。

  • 避難所を運営し、6300泊分の宿泊を提供
  • 緊急車両や食料配給所を通じて、46万食の食事や軽食を提供
  • 45の緊急対応車両を稼働
  • 40万個の救援物資を配布
  • 2万3000件の健康、こころのケア相談
  • 2500人のボランティアやスタッフを動員

復興支援

ケースワーカーを通じた、被災世帯や地域の再生支援

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クローゼットに隠れて難を逃れたジェイミーさん。
MARCsの支援で全壊した家を建て直しました

複数の竜巻が同地域を襲った直後、米赤は関係機関と連携し、合同支援センター(MARCs)を立ち上げました。

被災者はセンターでケースワーカーと個別に相談し、当座に必要な支援を受けることができました。

米赤の訓練を受けたケースワーカーは6300案件を担当し、2万人に対して適宜必要な支援を行いました。

また、被災者の長期復興のために、米赤は関連機関とともに、エル・レノとショーニー、ムーア市で長期復興支援センターを運営しました。

ここでも、ケースワーカーと相談しながら、住宅関連では家屋の修繕や家具・家電の支援、敷金や保証金、運送費などの支援のほか、けがの治療やこころのケアも提供されました。発足から2013年9月までに2700世帯の家族や個人(約8000人)が長期復興のための支援を受けました。

  • 被災直後:合同支援センターを通じ、米赤のケースワーカーが6300件の緊急のニーズの相談に対応
  • 長期復興:長期復興センターを通じ、米赤のケースワーカーが2700世帯の復興ニーズの相談に対応

地下シェルター建設支援

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再建する住宅の地下に、今後の竜巻に耐えられるような地下シェルターの建設を支援しています

米赤は被災地域と個人の住宅が、今後起こりうる災害に耐えられるよう、政府や地域の関係機関とともに、これまでに発生したすべての竜巻に耐えうるような強固な地下シェルターの建設に取り組みました。

  • 1500個の地下シェルター建設のための助成金を交付

米赤は2014年1月、ムーア市に375万米ドルの助成金を交付し、1500軒に竜巻を避けるための地下シェルターが設置されました。ムーア市ではこの40年間で7回竜巻が発生しており、住宅に地下シェルターが欠かせません。このほか、近隣被災都市の類似の再建事業への支援も行われました。

リンダさんは昨年5月の竜巻発生時、地下シェルターに娘や姉妹、そして3人の孫と一緒に避難しました。しかし、シェルター以外の住宅自体は竜巻によって破壊されてしまいました。リンダさんは現在地下シェルターのない住居に住んでいますが、米赤のシェルター支援に応募する予定です。「寄付者の皆さまに心から感謝しています。自分自身の経済力ではとても、地下シェルター付きの住居を作ることはできません」と語ります。

災害に強い学校と、地域社会づくり

学校復興支援

今回の竜巻で二つの学校が破壊され、子どもや教師も犠牲になりました。米赤は物資の支援だけでなく、子どもたちの安全を守るために働く教師たちのこころのケアも実施しました。

また、秋に学校に戻ってくる子どもたちのために、ムーア市とエル・レノ、ミッド・デル郡の教師400人に対し、備品の補てんのために500から1500米ドルの支援を行いました。さらに、被害の大きかったムーア学校郡事務所にも家具を寄付しました。

このほか、子どもたちの安全のためにエドモンドでは、7年生150人に対してゲームを使った防災教育を実施。子どもたちは学校で習った災害対応を家族にも伝えるなど、災害に対して有効な情報が地域社会に広がっています。

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スペイン語コミュニティーにも積極的に災害準備の情報提供を
行っています

将来の災害に備えて

次の竜巻の季節に備えて、米赤ボランティアは災害準備キットの配布と、人びとへの防災教育を行いました。

米赤は2014年2月、被災地区の教会で災害準備に関する説明会を開催。約100人が集まり、配布された災害準備キットの正しい使い方について学びました。

このほか、米赤のボランティアは各戸を訪問してキット配布し、災害準備について説明を行っています。キットには、天気予報ラジオや煙筒、一酸化中毒警報機、ホイッスル、懐中電灯、緊急時対応マニュアルが入っています。キットの配布や説明会の開催により、災害準備の必要性とキットの効果的な活用法についても、理解も広めることができました。

日本からの救援金

皆さまからお寄せいただいた約1600万円の救援金は米国赤十字社に送金し、上記の緊急救援や復興支援事業に活用させていただきました。皆さまのご支援を心から感謝申し上げます。

  • 日本赤十字社への救援金総額 16,301,872円

米国赤十字社の救援金の使途

米国中西部竜巻被災に関する米国赤十字社の支出内訳

米赤の支出総額:4810万ドル(2014年4月30日現在)

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地域社会と個人の復興と再建

赤十字は、地域社会と個人に対する今後の災害への備えや、防災教育などに力を入れています。また住宅再建のためのプログラムに取り組む関係機関と連携したほか、インフラの再建など、地域の復興に取り組む関係機関に助成金を提供しました。

個人の生活再建支援

ケースマネージャーが、被災世帯に対して生活の再建計画策定を支援し、地域や行政で受けられるサービスなどを紹介しました。具体的には、個々の被災者の話を聞き、住宅の修復や賃貸のための敷金等、家具や家電の購入のための支援を行いました。

緊急の個別相談と支援

被災直後の被災者に対してケースワーカーが個別に相談を受け、食料、衣服、住居等を提供しました。

緊急救援(食料配給、避難所運営、救援物資配布等)

被災直後から食料配給所を開設したり、緊急対応車両を通じて被災者に食料を届けました。また、避難所を運営し宿泊環境を提供したほか、すべてを失った被災者に対し、がれき撤去のためのシャベルや防水シート、保冷バッグや、歯ブラシを含む衛生用品セットなど、多様な救援物資を配布しました。

学校の再建と災害対応準備

学校再開に向け、建物の補修や教材・備品等の補てんのための支援を行いました。また、将来の災害への備えのため、地域の関係機関と協力しながら、防災教育も行いました。

救急医療およびこころのケア

応急処置やこころのケア、また処方箋の処方などを行いました。

皆さまの温かいご支援を心から感謝申し上げます。

本事業の印刷用のPDFはこちらから(PDF:485KB)