カリブ海諸国(2012年ハリケーン「サンディ」)

被災状況と救援金の募集

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カリブ海で2012年10月末に発生した大型のハリケーン「サンディ」。

キューバやジャマイカ、ハイチといったカリブ海沿岸諸国、そしてアメリカ合衆国などに甚大な被害をもたらし、計約180人が死亡、また約33万世帯が家を失いました。

特にカリブ海沿岸諸国の被害は大きく、家屋や農地、インフラなどへの被害が極めて深刻で、自国の力だけでは、復興に向けた弾みをつけることが難しい状況となりました。

日本赤十字社(以下、日赤)は各国赤十字社とともに、こうしたカリブ海諸国の赤十字社による救援活動を支援するため2012年11月7日~12月28日、救援金を募集しました。その結果、カリブ海諸国のために19,765,006円もの救援金をご支援いただくことができました。皆さまのご支援により、以下の救援・復興支援活動を行うことができましたので、お礼とともにご報告します。

1.ハイチ

被害の概要(ハイチ

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洪水の状況を確認するハイチ赤十字社のスタッフ

• 上陸・通過時期:2012年10月24~27日

• 被害地域: 全土

• 被災者:約200万人

• 死 者:54人

• 行方不明者:21人

• 負傷者:20人

• 全壊家屋:約7000戸

• 損壊家屋:約2万4000戸

• 浸水家屋:約9000戸

緊急救援

ハリケーン「サンディ」の接近に備えハイチ赤十字社は、国際赤十字と連携しながら24時間体制の緊急対応センターを開設。2887人のボランティアと38人の「こころのケア」を行うボランティアを、13支部に配置しました。

また、高齢者や障害がある人びとを安全な場所にあるキャンプに優先して避難させるなどの活動も積極的に展開しました。

被災直後には、食料などの救援物資を支給するとともに、社会的に弱い立場にある母子世帯など761世帯に100米ドルを支給。子どもの学費や家屋の修復などに活用されました。

復興支援

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地域で手に入る材料を使い、地元の建設業者が災害に強いモデルハウスを建築しました

• 住宅再建支援

復興期には、家屋の被害の程度に応じて、1868世帯に住宅再建のための現金支給を行いました。緊急救援期に現金支給を受けた母子家庭なども、ここに含まれます。

また、これに加えて、地元の建設業者に対して災害に強い家作りのための技術的なトレーニングを行い、被災者の住宅再建をより安全なものとすると同時に、地域内の収入向上にもつなげました。

• 生計再建支援

生計の再建支援として、1800世帯の農家に種子や農業機材を配布しました。また、496世帯の漁業関係者に漁業資材購入などのための現金支給を行いました。

また、被災者の現金収入を生むために、インフラ再建などの労働の対価として現金を支給するプログラムを、790人の被災者を対象に実施。被災者はここで得た収入を、食料の購入やローンの返済、学費や起業のための資金などに充てています。

• その他

111人のボランティアに対して、住宅や給水、衛生についての防災トレーニングを実施しました。トレーニングの参加者は、被災後の住居が衛生的に保たれているかなどについて、家庭訪問を行って話を聞き、必要な指導を行いました。

また、ハリケーンで破壊されたコレラの治療施設を約1年かけて修繕。コレラなどの感染症を防ぐためにボランティアのトレーニングを行い、2万5000人を対象としたキャンペーンを実施しました。

日本赤十字社の支援

• 2000万円の資金援助

ハイチでのハリケーン「サンディ」の被害に対して、国際赤十字・赤新月社連盟の支援要請(緊急アピール)に応じ、約2000万円の資金を援助しました。

2.キューバ

被害の概要(キューバ)

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ハリケーンが直撃し、壊滅的な被害を受けたサンティアーゴ・デ・クーバ湾入り口の漁村。キューバ赤十字社が最初に救援を行った村の一つ

• 上陸・通過時期: 2012年10月25日

• 被害地域:南東(サンティアゴ・デ・クーバ州)および北部(オルギン、グアンタナモ州)、その他地域でも、強風、洪水などが発生

• 被災者:約100万人

• 死 者:11人

• 損壊家屋:約19万戸

• 全壊家屋:約3万戸

ハリケーン「サンディ」が2012年10月25日、南東部(サンティアーゴ・デ・クーバ州)と北部(オルギン、グアンタナモ州)に上陸し通過。そのほかの地域でも、強風や洪水などが発生し、総避難民数は約34万人に達しました。

ちょうど収穫前だった農地は強風で浸水し、収穫に壊滅的な打撃を受けました。観光産業とともに基幹産業である農業や食品産業への多大な被害により、キューバ経済は大きく減退しました。

緊急救援

キューバ赤十字社は被災後、直ちにキューバ政府と連携し、特に被害の大きかったサンティアゴ・デ・クーバ州とオルギン州、グアンタナモ州の約1万1000世帯(約2万8000人)に衛生キットや調理器具、蚊帳(かや)、水用タンク、バケツ、防水シート、住居の緊急補修セットを配布しました。

また、汚染水による感染症や動物由来感染症を防ぐため、サンティアゴ州とカマグエイ州、グランマ州、ビジャ・クララ州、グアンタナモ州、マケベケ州で、保健所を通じて各世帯に塩素消毒錠剤を配布しました。さらに、汚染水が混入した浄水場に浄水処理を専門とするボランティアを派遣し、再開のための作業を行いました。

• 住宅再建支援

屋根を吹き飛ばされるなどの被害を受けた住宅の応急処置と補修のため、約5000世帯への支援として、8028枚のビニールシートと屋根修復のための工具セット3511セットを配布し、修復方法を指導しました。

• 保健衛生

衛生指導を行うボランティアが約1万1000世帯を家庭訪問。非衛生的な水をどのように処理し、消毒して利用するかを説明しました。

日本赤十字社の支援

• 2000万円の資金援助

キューバでのハリケーン「サンディ」の被害に対して、国際赤十字・赤新月社連盟の支援要請(緊急アピール)に応じ、約2000万円の資金を援助しました。

3.ジャマイカ

ジャマイカ ハリケーン「サンディ」被害の概要

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• 上陸・通過時期:2012年10月24日

• 被害地域:全土

• 被災世帯:約1万1000世帯

• 死 者:1人

• 農作物の経済的被害:1650万米ドル

ハリケーン「サンディ」は2012年10月24日、ジャマイカ南東に上陸。全土に豪雨と強風をもたらしました。1人が死亡し、負傷者も多数発生しました。西部のポートランドとマウント・プレザント地区では、80%の住居の屋根が損壊。電気と水道が止まり、いくつかの病院も被災、損壊しました。

プランテーション(大規模農場)の主要農産物であるバナナやサトウキビの被害総額は、約1650万ドルとなりました。小規模農家もパパイヤやバナナ、ライムなどの換金作物の収穫ができず、1年分の収入を失うなどの深刻な経済被害をもたらしました。

緊急救援

ジャマイカ赤十字社は、ハリケーン「サンディ」上陸前から災害に備え、備蓄してあった食料や衛生キット、水用タンク、防水シートを社会的に弱い立場にある世帯に配布しました。また、災害時に迅速に食料を集めて配給できるように食品業者と事前に契約していたことから、食品を効率的に調達できました。

• 救援物資の配布

ハリケーン「サンディ」による被災が大きかった東部のセント・トマス郡とセント・メアリー郡、ポートランド郡の6918世帯に対して2013年1月まで、毛布や衛生用品、食料やマットレスなどの物資の配給支援を行いました。被災者が必要する物資について調査を重ね、予定していた配給物資から実際のニーズに合うように変更も行いました。

また、今後の災害に備えるため、再度、食料を含む救援物資の備蓄も行いました。

復興支援

• 生計支援

被災して生計手段を失った223人に対し、農業や畜産業、雑貨店、洋裁、大工、食料品店などの小規模起業のためのトレーニングと少額融資を行い、生計手段の確立を支援しました。

日本赤十字社の支援

• 約360万円の資金援助

ジャマイカでのハリケーン「サンディ」の被害に対して、国際赤十字・赤新月社連盟の支援要請(緊急アピール)に応じ、約360万円の資金を援助しました。

4.海外救援金の使途

日赤は被害を受けた国を支援するため、ハリケーン「サンディ」救援金(カリブ海沿岸諸国)として、皆さまに海外救援金のご協力をお願いしました。

多くの方がたからお寄せいただいた約2000万円の救援金は、上記の緊急救援活動に活用させていただきました。温かいご支援を誠にありがとうございました。

• 受付期間:平成24年11月7日~12月28日

• 合計  :19,765,006円

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※1 NHK海外たすけあい募金を財源とする、日本赤十字社の緊急対応用の財源

※2 国際赤十字・赤新月社連盟の支援要請(アピール)への資金援助

本事業の印刷用の報告書はこちらから