中東人道危機救援事業

中東人道危機救援事業

ギリシャで難民を医療救護する赤十字ボランティア

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2015(平成27)年度『中東人道危機に対する支援活動報告』(PDF:3.5MB)

背景または概況

シリア人道危機

シリア  2014年人口約2330万人 (世界銀行)

シリア国内避難民: 約660万人 (2016年2月現在、国連調べ)
シリア国内で支援を必要とする人の数: 約1350万人
国外に避難している難民: 約480万人 (2016年3月現在、国連調べ)
国外の主な避難先: トルコ(約272万人)、レバノン(約107万人)、ヨルダン(約64万人)、イラク(約25万人)
(2016年2月現在、国連調べ)

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ギリシャに漂着した子どもを抱いて救護する
赤十字ボランティア

2010年に始まったアラブの春に端を発する民衆蜂起で、紛争状態となったシリア。武力衝突が6年目に入った今も、政治的解決のめどは立っていません。

レバノンやヨルダン、トルコ、イラクなど周辺国に流出した難民は、受け入れ国に多大な経済的負担を強いています。さらに、周辺国での長期化する避難生活への不安や疲弊、支援不足などにより、ヨーロッパに渡る難民も数が増えています。

イラク人道危機

イラク  2014年人口約3430万人 (世界銀行)

イラク国内避難民: 約320万人 (2015年7月30日現在、IOM)
国外に避難している難民: 約37万人 (2014年12月現在、UNHCR)
イラクが受け入れているシリア難民: 約25万人 (2015年8月15日現在、UNHCR)

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イラクのアンバールから避難する人びと
(2015年6月) ©イラク赤新月社

イラクでは2013年末から、武装勢力と軍・治安機関との緊張が高まり、イラク北部に位置する首都に次ぐ都市モスルで2014年6月、大規模な武力衝突が発生しました。治安は急激に悪化しています。

国内避難民の約87%が北部のアンバール県やニーナワ県、サラーフッディーン県の三県からであり、隣接するキルクーク県から避難する人も増加しています。

ガザ人道危機

パレスチナ(西岸地区とガザ地区)2014年人口約416万人 (UNRWA)

パレスチナ国内避難民: 約27万人 (2014年9月現在、UNRWA)
パレスチナ国内にいるパレスチナ難民(※) 西岸地区 約76万人(人口約240万人)、ガザ地区 約126万人(人口約176万人)
(2014年7月現在、UNRWA)
国外の主な避難先: ヨルダン(約201万人)、シリア(約53万人)、レバノン(約45万人) 
(2014年7月現在、UNRWA)

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ガザ地区のがれきの中を歩く子どもたち
(2014年9月) ©Tommaso Della Longa/IFRC

イスラエルとパレスチナの武力対立により長年、紛争状態が続いていますが、2014年7月初旬から戦闘がさらに激化し、50日間でパレスチナ人2133人が死亡、うち1489人が一般市民でした(2014年8月27日、UNOCHA)。

爆撃で街が大きく破壊されたパレスチナのガザ地区は人口密度が高く、一般市民の死亡者は全体のおよそ70%にも上るなど、多くの市民が巻き添えになりました。

生活も不安定で、人口の80%以上は赤十字や国連機関など外部人道支援団体からの支援に依存せざるを得ない状況であり、自由のない生活を余儀なくされています。

  • ※1946年6月1日から1948年5月15日までパレスチナに居住し、1948年の第一次中東戦争で家を失い、家や生計手段を失った人びとのこと(UNRWA定義)

救援活動

シリア

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東アレッポの小学校での衛生教育を通じた
こころのケア©シリア赤新月社

シリア赤新月社(以下、シリア赤)はシリア国内で唯一、政府勢力下の地域にも、反政府勢力下の地域にも支援を届けることができる人道支援団体として双方から認められており、シリア国内での活動は、市民生活のあらゆる場面を支えています。

シリア赤は、食料配布をはじめとする日用品の配布、給水タンクの設置や修繕、救護所や診療所の運営、救急車による負傷者の搬送や応急処置、隔離された地域に住む人びとに対する巡回診療などを実施しており、2012年から2015年4月にわたり、620万人に支援を届けることができました。

特に、紛争下で幼稚園や小学校に通う子どもたちや避難所に暮らす子どもたちに対しては、ゲームや衛生教育を通じたこころのケアに力を入れています。

レバノン

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ベカー高原の非公式難民キャンプからはシリアとの
国境の山脈が見えます

レバノンは、パレスチナからこれまでに110万人以上の難民を受け入れている一方、政府は国際NGOや国連機関による難民キャンプの設立を認めていません。

そこで、逃れてきた難民の中でアパートを借りる経済力がない、または身寄りのない人びとは自分たちで、無許可で住居を作って暮らしています。

レバノン赤十字社(以下、レバノン赤)は、シリア国境に位置するシリア難民が最も多いベカー高原で、排せつ物の処理と衛生促進を行う衛生事業や、給水、毛布や台所用品、歯ブラシなど洗面用具の物資を配布しています。

日赤は2014年7月から、レバノン赤を通じてベカー高原に避難しているシリア難民を支援しています。

ヨルダン

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ヨルダン・ジャワのキャンプで子どもたちに聞き
取りを行うヨルダン赤ボランティア
©Ibrahim Malla/IFRC

ヨルダン赤新月社(以下、ヨルダン赤)は、難民の流入直後から食料や衛生用品などの配布を実施しています。

ヨルダンはもともと人口が約600万人の国です。現在、約63万人のシリア難民が流入いるため、10人に1人がシリア難民という状況で、受け入れコミュニティーの経済的負担も大きくなっています。

ヨルダン赤は避難生活が長期化しているシリア難民の健康や衛生促進、難民キャンプの外で暮らす難民への住居支援、受け入れコミュニティーでの貧しいヨルダン人への家計支援などを実施しています。

日赤は2015年6月16日から、看護師1人をヨルダンに派遣し、難民流入の多い首都アンマンやアジュルン県、ジャラシュ県、マフラック県、イルビット県のシリア難民および難民受け入れコミュニティーの住民計3万人を対象に地域住民参加型の保健事業(CBHFA:Community Based Health and First Aid)の保健要員として活動を開始しています。

イラク

イラク赤新月社(以下、イラク赤)は、約20万人を対象に、食料や日用品の配布、車いすやテントの提供を行っています。また200万人以上の人びとがきれいな水を手に入れられるように、給水施設の修繕や新規建設を実施しました。

日赤は2014年度、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)を通じてイラク赤に対して1000万円の資金支援を実施しました。

パレスチナ

パレスチナ赤新月社(以下、パレスチナ赤)は避難民の約32万人を対象に保健医療や災害救護、こころのケアなど実施しています。また、50万人を対象にガザの一般市民や外国人の避難支援、医療資材の運搬、ガザへの水や電気の供給支援などを実施しています。

日赤は2014年度、連盟および赤十字国際委員会(ICRC)を通じて、パレスチナ赤に対して2000万円の資金支援を実施しました。

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アレッポ大学病院で、がんの治療中の少女に
こころのケアを行うシリア赤ボランティア
©シリア赤新月社

日赤は中東人道危機における国際赤十字の活動を支援するため、これまでに総額1億円以上を拠出しています。

しかし、現在もシリアやイラク、パレスチナをはじめ、中東諸国では政情不安や武力衝突、混乱が続いており、支援のさらなる拡大が必要とされています。

皆さまからの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

受け付け期間:2016(平成28)年3月31日(木)まで

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