西アフリカ エボラ出血熱救援

©Katherine Mueller/IFRC

西アフリカのギニアで2014年2月に感染者が発生したエボラ出血熱は、短期間で近隣のリベリア、シエラレオネ、ナイジェリアに感染が拡大しました。

現在でも日々その数は増え続けており、11月12日現在、感染者数は1万4098人、そのうち死者数は5160人と、過去にない規模で広がっています(世界保健機関、WHO)。

現在、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、セネガルの各国赤十字社と国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)は、感染拡大予防と対策のために緊急支援を要請しており、その総額は約76億6000万円に上っています(11月6日現在)。

日本赤十字社(以下、日赤)もこの要請に対して約5100万円を支援していますが、現時点ではまだ全体の要請総額の半分ほどしか集まっておらず、引き続き国際社会からの支援が求められています。

日赤は、西アフリカ地域の各国赤十字社と国際赤十字の救援活動を支援するため、救援金へのご協力をお願いしています。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

受付期間: 平成26年8月14日(木)から平成27年5月29日(金)まで

詳しくはこちらから

現地における赤十字の主な活動

赤十字は以下の5つの柱を軸として、現地で活動を行っています。

1.感染予防の啓発活動

リベリア家庭訪問

リベリア赤十字社の地域の保健スタッフの家庭訪問による予防啓発研修 ©Victor Lacken/IFRC 

エボラ出血熱は患者の体液などがついた所持品や遺体との接触でも感染してしまうため、予防を行うことが非常に重要です。

そのため、赤十字ボランティアが各村で集会を開いたり家庭訪問を行い、正しい予防方法や衛生行動を広め、偏見などが起こらないように、病気に対する正しい理解を住民に伝えています。

11月4日現在、約340万人にこれらの啓発活動を実施しました。

引き続き、ボランティアが中心となって啓発活動を続けていきます。

2.こころのケア

リベリア 昼食休憩中のボランティア

エボラ対応プログラムを受ける昼食休憩中のリベリア赤十字社のボランティアたち ©Victor Lacken/IFRC

エボラ出血熱は、致死率が非常に高い感染症であること、また治療の手段が対処療法しかないことから、感染地域の人びとに非常に恐れられています。

感染者が発生した家庭やコミュニティー、また治療にあたる医療従事者たちは、そのような恐怖の中で極度の緊張状態が続いてしまうこともあります。

そこで、赤十字ボランティアを育成し、感染者が発生した家庭や、感染者のケアを行う医療従事者などにこころのケアを実施しています。

3.遺体の安全かつ尊厳ある埋葬と、遺体回収後の家の消毒

シエラレオネの埋葬チーム

シエラレオネの埋葬チーム ©IFRC

遺体の処理の際にも、エボラ出血熱は感染する可能性があります。しかし、西アフリカには、死者を弔う際に家族や近親者が遺体を洗うという風習がありました。

文化的には重要な儀式ですが、エボラ感染の予防の観点からは、非常に感染リスクの高い行為でした。

そこで、赤十字は住民の理解を得て、死者に対する尊厳を守りつつ、安全に遺体を埋葬する活動を行っています。

また、死者の出た家をきちんと消毒することも感染拡大の予防には有効とされるため、遺体回収後には、家を消毒しています。

ギニア:1460人を埋葬、リベリア:2413人を埋葬、シエラレオネ:1563人を埋葬

4.エボラ感染者と接触した人の追跡調査と観察

エボラ出血熱は、感染してから発症するまでの間、最大21日間の潜伏期間があります。潜伏期間中、発症していない人からは感染しませんが、一度発症すれば感染する可能性があります。そのため、感染者に接触した人びとに対して、赤十字ボランティアが毎日2回、その家庭を訪問して検温を行い、症状がないかを調べています。

訪問を通じて、同時にこころのケアや正しい予防行動についても伝えることができ、また発症した際には早期に発見できます。21日間を超えて発症しなかった場合は、追跡調査は終了します。

ギニア:7516人を追跡、リベリア:1万7605人を追跡、シエラレオネ:2万6002人を追跡、ナイジェリア:891人を追跡、セネガル:75人を追跡

5.エボラ感染者の治療

シエラレオネのケネマにある連盟エボラ治療センター ©Katherine Mueller/IFRC

連盟はシエラレオネのケネマに2014年9月、エボラ治療センターを開設しました。

このセンターは、160人のシエラレオネ人スタッフと20人の外国人医療者が24時間体制で運営しています(2014年11月13日現在)。

エボラに対する有効な治療薬やワクチンはないため、脱水や下痢などの症状の緩和を通じて、患者の自己免疫を高め、病気の克服を目指しています。

センター内は、感染の危険度の高い区域と低い区域に分けられており、危険度の高い区域に入るには、誰もが全身を覆う防護服を着用しなければなりません。

その他

マスクを装着する作業員 ©Katherine Mueller/IFRC

医療資材の物資支援

患者に接する医療従事者やボランティアのための防護服やその他の資機材を支援しています。

周辺国の予防策

予防策として、発生国の隣国であるコートジボワール、マリ、セネガルでも、赤十字ボランティアを中心として2014年4月から正しい知識の啓発活動を展開しており、これまでに6カ国で計1000万人に情報提供を行っています。

日赤の人的支援

日赤は2014年5月に国際赤十字の要請を受け、感染症の専門家として医師1人をリベリアに2回派遣。現地で医師らの医療者やボランティアを指導しました。