バルカン半島洪水(2014年バルカン半島洪水支援事業)

ヨーロッパ南東部のバルカン半島で5月13日から降り続いた豪雨により、セルビア共和国とボスニア・ヘルツェゴビナでは、多くの地域で大洪水が発生し、死者や多数の避難者が出ています。

広範囲にわたる洪水や土砂崩れにより、両国で確認された死亡者は59人。セルビアでは約164万人(人口の約23%)、ボスニア・ヘルツェゴビナでは約100万人(人口の25%)が被災しています。さらに、1991年から10年間にわたり続いたユーゴスラビア紛争で埋設された地雷や多数の不発弾が流出した可能性があり、二次被害の危険性も指摘されています。

セルビア共和国

被災の状況

被災地の現地調査を行うセルビア赤のスタッフ

被災地の現地調査を行うセルビア赤のスタッフ

セルビア共和国では5月13日から豪雨が続き、2カ月間の雨が2日間で降りました。その結果、河川の水位が一気に上昇し、多くの地域で洪水が起こりました。これまで分かっているだけでも34人が亡くなっています。

水位は現在少しずつ下がり始めています、また、可能な人は避難先から自宅に戻り始めました。さらに、道路などの消毒・清掃作業も始まっています。

しかし、被災した39の自治体の約164万人がいまだに支援を必要としており、約3万2000人が避難を続けています。

鉄道は復旧しつつありますが、被災地を迂回する特別なルートを取っています。その一方で、道路は多くの地域で通行できるようになってきました。

しかし、自宅に戻ったとしても、ほとんどの地域では水道水を飲むことができません。そのためセルビア赤十字社(以下、セルビア赤)は、これまでどおり飲料水と食糧の配給を続けています。

赤十字の活動

避難所で子どもに食事を与えるセルビア赤のボランティア

避難所で子どもに食事を与えるセルビア赤のボランティア

セルビア赤では約5000人のスタッフとボランティアが、被災者のために活動しています。しかし活動を続けるうちに、当初予定していたよりも8000人以上も多くの被災者が、支援を必要としていることが分かりました。

首都ベオグラードにある11カ所の避難所では約1400人が、さらに避難先を自分たちで探した約1万8000人が、避難生活を続けています。

セルビア赤では今後も、食糧や救援物資、仮設避難所、衛生環境の整備などの支援を続けていくほか、災害で離ればなれになってしまった家族の再会を支援します。

ボスニア・ヘルツェゴビナ

被災の状況

被災者に被害の状況と現在の生活について聞くボスニア・ヘルツェゴビナ赤十字社のスタッフ

被災者に被害の状況と現在の生活について聞くボスニア・ヘルツェゴビナ赤十字社のスタッフ

ボスニア・ヘルツェゴビナでは5月13日、これまでにない大規模な洪水が多くの地域で発生しました。25人が死亡し約100万人が被災、約9万人が自宅から避難しました。

洪水は3000カ所もの地滑りを発生させ、46の自治体の約100万人が被災。約7万5000棟の住居が洪水や地滑りの被害を受け、約2万5000棟が全半壊しました。

調査によると、洪水と地滑りによる経済的被害は約3億9000万スイスフラン(約445億円)、住居の被害は約5億1000万スイスフラン(約514億円)、医療・保健サービスの被害は約700万スイスフラン(約8億円)、水道・衛生施設の被害は約700万スイスフラン(約8億円)にも上るとされています。

赤十字の活動

被災地まで到着した食糧や衛生用品を配布するボスニア・ヘルツェゴビナ赤のボランティア

被災地まで到着した食糧や衛生用品を配布するボスニア・ヘルツェゴビナ赤のボランティア

ボスニア・ヘルツェゴビナ赤十字社(以下、ボスニア・ヘルツェゴビナ赤)は200人のスタッフと約7000人のボランティアを動員し、被災者を支援しています。

救援物資を調達し必要に応じて配布、避難所も立ち上げました。最初の1週間で、すべてを失い避難所に避難している4万世帯に支援を行いました。

今後は、保健衛生の充実や安全で栄養のある食料の配布と生計支援、そして住居支援が大きな課題となります。

セルビア共和国とボスニア・ヘルツェゴビナで行った災害調査の結果、両国ともに当初の想定より被害が大きく、深刻であることがわかりました。さらに多くの充実した支援が必要です。

日本赤十字社は、国際赤十字・赤新月社連盟とセルビア赤並びにボスニア・ヘルツェゴビナ赤が実施する救援・復興支援活動を支援するため、救援金(救援金名称「2014年バルカン半島洪水救援金」)の受け付けを行っています。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。また、これまで救援金をお寄せいただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。