ヨルダン:スタディツアー ~地域のみんなの健康を守る~

あなたも国際救援活動に参加してみたいと思ったことはありませんか。

でも、実際に知らない国に行って暮らせるか、どんな活動や支援をするのか、と不安や疑問はつきません。そのため、日本赤十字社大阪赤十字病院では、国際救援活動に興味のある赤十字内外で働く医療職、事務職の方を対象にした海外スタディツアーを開催しており、今年で4回目となるツアーの目的地はヨルダンで1028日~116日で実施されました。

今回はこのスタディツアーを準備し、同行した鄭恵梨さんのレポートです。

ヨルダンでの視察先は・・・

地域で活動するボランティアに案内を受けてコミュニティを歩く.JPG

地域で活動するボランティアに案内されて住宅地を歩く。

シリア危機以降、多くのシリア難民がヨルダンに流入し、ヨルダンに元から暮らす人々にも影響が出ています。国際赤十字赤新月社連盟(以下、連盟)とヨルダン赤新月社は地域住民参加型の保健事業として、もとより住む人々と難民が協力してみんなの健康を守り共存できる地域づくりを目指した活動をしています。今回、その活動の現場を見せてもらいました。 

 ツアー参加者は、日本で働く看護師、医師、事務職のみなさん。ヨルダンに到着し日本とは異なる乾いた大地と石造りの街並みに目を奪われたのも束の間、日本赤十字社から連盟に派遣されている看護師、小笠原佑子さん(日本赤十字社和歌山医療センター)の案内で、早速、支援の現場を見学しました。

住民みんなの協働で支えるそれぞれの生活。

シリア難民の方からお話を聞く参加者.JPG

シリア難民の方からお話を聞く参加者。

まず向かったのが職業訓練所。シリア難民とヨルダン人の女性を対象にした職業訓練を見せてもらいました。訓練の内容は、パソコン教室からドレス作り、美容クラスまでさまざま。シリア難民はヨルダン国内での就労許可を得ることが困難なため、働きたくても働けない現実や、文化的に女性は在宅で育児や家事の片手間でできる仕事が望まれるため、得られる収入が限られてしまうという課題を知りました。

 次に地域住民参加型保健事業で活動するボランティアさんたちの月例会議や小学校での啓蒙活動に参加。ボランティアさんの熱心な姿勢に圧倒されました。また、ボランティアさんの協力を得て、ヨルダンに暮らすシリア難民のご家庭を訪問しお話を聞くことができました。お会いした女性は夫と子どもを戦争で亡くし、ヨルダンに逃げてきたものの、働くことができず、家賃と子どもの学費を捻出するのに困っているとのことでした。病気になっても治療費がないので我慢するしかなく、足の痛みをどうにかこらえて暮らしているとも話して下さいました。

小学校での啓蒙活動にて児童にパンフレットを手渡す参加者.JPGのサムネイル画像

児童たちに衛生・健康のパンフレットを渡す参加者。

小学校での啓蒙活動に参加するツアー参加者.JPGのサムネイル画像

ボランティアの啓発活動に参加する参加者。

ツアーを終えて

 ヨルダンは長引く中東危機の中、周辺国から大量の難民を受け入れ、終わりが見えない状況の中、社会全体でこの人道危機に立ち向かっています。

 参加者は、私を含め、現地の方々にお会いして実際に話を聞いたことで、「この人たちのために頑張りたい」、「国際救援要員を本気で目指したい」と決意を新たにしていました。また、ツアー全体を通して、日本では当たり前のことが外国ではそうではない、ということに驚きの連続でした。この経験から、国際救援活動を行う上では、まずその国の歴史や文化などの背景を知ること、そして何よりもそこで暮らす人々の声を聴き、彼らがどう思っているのか、どう感じているのかを知ることが大切な第一歩であることを学びました。

★同ツアーは来年、秋にも開催します。日程、行先などの詳しい情報は大阪赤十字病院ホームページ、同国際医療救援部フェイスブックなどで5月ごろにご案内する予定です。

“中東人道危機救援金 募集中”
http://www.jrc.or.jp/contribute/help/cat751/

海外たすけあいキャンペーン12月1日スタート! 詳しくはこちら→http://jrc-tsudukeru.jp/

PDF版はこちら(800k).pdf