国際赤十字の最近の動き

国際赤十字の最近の動き

日本赤十字社は世界191の国と地域に広がる赤十字のネットワークの一社です。世界のいたるところで、紛争や自然災害、感染症などで多くの人々が苦しんでいますが、各国の赤十字社が自国内の人々を救うために、また時には他国の人々を救うために派遣され一緒に活動しています。今回は、そんな世界の人道危機一つ一つに向き合う国際赤十字の最近の活動について、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)や赤十字国際委員会(以下、ICRC)のニュース記事からいくつかご紹介します。

インドネシア・スラウェシ島」地震

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再会を喜ぶサタルさん©IFRC

インドネシア・スラウェシ島のパル市。余震が続く中、家族の再会を喜び、涙を流すインドネシア赤十字社のボランティアメンバー、アンディ・サタルさんがいます。赤十字の事業の一環である離散家族支援のボランティアとして他人の家族を探す手伝いをする傍ら、1週間以上、自分の両親を探し続けていたのです。インドネシア・スラウェシ島では、地震が発生した際に安全な居場所を求めて300名以上が家族や親戚と離ればなれになりいまも行方が分からない状態が続いています。

詳しくは連盟ホームページをご覧ください。

https://media.ifrc.org/ifrc/2018/10/08/indonesia-moment-joy-ruins-palu/

ナイジェリア洪水災害

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難民キャンプで生まれた乳児©IFRC

子どもの誕生はこの世で何よりも美しい瞬間です。両親はもちろん、家族や友人達に新しい生命に出会う喜びをもたらします。しかし、災害時の出産は違った様相を呈していました。ナイジェリアを襲った洪水。190万人が被災し、洪水災害の後で早産や低体重児出産などのリスクが高まっています。11万4千人もの妊婦や授乳中の母親が助けを必要としています。双子を出産した後、合併症のために亡くなった方もいました。

詳しくは連盟ホームページをご覧ください。

https://media.ifrc.org/ifrc/2018/10/11/born-midst-disaster-new-babies-born-displacement-camps-following-devastating-floods-nigeria/

都市での戦争がもたらす市民の犠牲

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戦争で破壊されたダマスカス市街©A. Yousef/ICRC

イラク及びシリアの都市部で行われた戦争は、他の地域での戦争に比べて8倍もの市民の犠牲者(死者)をもたらしたとの調査結果をICRCは発表しました。2017年3月から2018年7月までの間に、6,485名の市民が都市部の戦争で命を落としたと推定されています。それは全犠牲者の78パーセントを占めます。都市部の攻撃は荒廃をもたらし、さらなる犠牲者の急増を引き起こすのです。

詳しくはICRCホームページをご覧ください。

https://www.icrc.org/en/document/new-research-shows-urban-warfare-eight-times-more-deadly-civilians-syria-iraq

バングラデシュ南部避難民

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バングラデシュの難民キャンプで生まれた乳児©IFRC

「産科病棟で赤ちゃんの泣き声を聞くことほど嬉しいことはない。赤ちゃんは生きていて元気だということだから」と、オーストラリア赤十字社の助産師ジャネット・ゴレルさんは微笑みます。2017年8月25日にミャンマー・ラカイン州で発生した暴力行為を逃れ、隣国バングラデシュに避難した人々の数は70万人以上にのぼり、以前からの難民20万人とあわせ、アジアで最大の人道危機となっています。現地に派遣された日本赤十字社の医師や看護師同様、各国赤十字社の医療スタッフもまた、現地での支援活動を続けています。

詳しくは連盟ホームページをご覧ください。

https://media.ifrc.org/ifrc/2018/10/02/bangladesh-celebrating-cries-joy-red-cross-field-hospital-one-year/

※国際赤十字では、政治的・民族的背景および避難されている方々の多様性に配慮し、『ロヒンギャ』という表現を使用しないこととしています。

<お知らせ>

赤十字シンポジウム2018「世界の防災力をたかめる~キーワードはレジリエンス」

日時:2018年11月3日(土・祝)開場13時30分、開演14時00分 終演16時00分

場所:表参道ヒルズ スペース オー

主催:日本赤十字社、NHK

申し込み:要お申込み(無料)※詳しくは「赤十字シンポジウム2018」で検索ください。

出演:

<コーディネーター>

山﨑 登(国士館大学 防災・救急救助総合研究所 教授)

<パネリスト>

池上 三喜子(公益財団法人 市民防災研究所 理事)

西川 智(名古屋大学 減災連携研究センター 教授)

野口 健(アルピニスト)

喜田 たろう(大阪赤十字病院 国際医療救援部課長)

いつ誰に降りかかるかわからない災害に対して日ごろから必要な姿勢や対策を、日本と世界の様々な災害支援の具体例を検証することから探ります。

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