移民・難民:西ヨーロッパを目指す人びと

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フェンスの前で受付を待つ移民・難民
©Stephen Ryan/IFRC

地中海を渡る移民・難民の問題が大きく取り上げられている終息の兆しの見えないシリア紛争。その影響で紛争前のシリア人口約2300万人の半数以上が、難民もしくは国内避難民となっています(2015年7月7日国際赤十字・赤新月連盟調べ)。

移民・難民の多くが流れ込んでいるヨーロッパでは、2015年1月から8月までの8カ月間で流入した人の数が約32万人に上り、すでに前年1年間に漂着した移民・難民の数(約22万人)を上回っています(2015年8月31日国連調べ)。

ヨーロッパ諸国は、流入する何万もの人びとの対応に追われています。

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救援物資の配給を受ける移民・難民 ©Stephen Ryan/IFRC

ヨーロッパ各地の赤十字社は、増加する移民・難民の対応の最前線に立っています。中東から地中海を渡る多くの難民が、ギリシャからドイツなどの西ヨーロッパを目指して北上します。

その通過点であるマケドニアでは、過去2カ月で約6万2000人以上が国を縦断しました。毎日約3000人がギリシャ国境から72時間の短期滞在許可を得て流入し、公共交通機関を使って移動します。

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受付を待つ間、簡易テントで生活する家族 ©Stephen Ryan/IFRC

マケドニア赤十字社(以下、マケドニア赤)は、人道危機に対応するため、16人の職員と125人のボランティアを動員し、応急処置や衛生に関する救援活動を行っています。

また、これまで4000人に対して分かれてしまった家族の連絡先を見つける追跡サービスを実施しています。

特に母子で逃れてきた人びとや妊婦、子どもたち、新生児などは必要な情報を受け取るのも困難な状況にあるなど、ぜい弱な状況に置かれやすいため、マケドニア赤はこのような人たちを優先して救援しています。

苦難続きの難民生活、安全と希望を求めて

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サロームさんと娘のファティマちゃん(5歳)。後ろに見えるのが妻と息子たち ©John Engedal/IFRC

マケドニア南部で、セルビアとの国境に向かう列車を待つルーイー・サロームさん(37歳)は3人の子どもの父親です。紛争が始まった当初から安全を求めて一家でレバノンに逃れました。

「レバノンでは1カ月分の食べ物を買うための15米ドル(約1800円)しかもらっていませんでした。しかし、私たちは5人家族。これでは食べ物は元より水を買うにも十分ではありません。この国ではすべての物価が高いのに、私は短期契約の仕事にしか就くことができず、働いたのに賃金を支払ってもらえないということもありました。私にも子どもたちにも将来はありませんでした」とサロームさんは語ります。

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一家は、決死の覚悟でトルコからギリシャに渡る船に乗ることを決め、ほかの60人ほどとともにゴムボートでエーゲ海に出ました。

最終目的地に着いても、何が起こるかわかりません。妻や子どもを無事に連れて行けるかとサロームさんは、2時間半の航海中不安に駆られていました。

一家はようやく無事にギリシャの海岸にたどり着き、赤十字のボランティアに迎えられて水や食料、衛生用品を受け取りました。

希望を見出しつつも不安に襲われそうになるというサロームさんは、「テロや紛争があるシリアに送り返されるのではないかという恐怖に襲われます。紛争が終わっても、テロリストはそのまま居続けるでしょうから」と語ります。

赤十字は、ヨーロッパにおける人道危機、また中東紛争地域の犠牲になっている人びとが直面している人道危機に対して支援を続けています。皆さまの温かいご支援と協力をお願いいたします。

※「難民」とは、1951年に採択された難民の地位に関する条約(難民条約)によって定義された人びとを指しています。

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