住民の「夢」がかなった瞬間~ケニア・ガルバチューラ県立病院手術棟がオープン~

手術棟に設置された銘板を前に、喜びの表情を見せる日赤東アフリカ地域代表 五十嵐真希要員(写真中央)

日本赤十字社(以下、日赤)はケニア赤十字社(以下、ケニア赤)とともに2007年から、「地域保健強化事業」を実施しています。

活動の一環として、日赤がケニア北東部ガルバチューラ県で建設していた県立病院の手術棟の委譲式典が8月16日に開催され、開所に合わせて初の手術が行われました。

ガルバチューラの位置.jpg

ガルバチューラ県までは、首都ナイロビから
車で9時間の道のり

これまで県立病院では簡易な処置しかできず、手術が必要な場合は100~200キロメートル離れた他県の病院に患者を搬送していました。

助かるはずのいのちが失われる例も数多くありましたが、手術棟の稼働でこの状況が改善されます。

きっかけは一通の手紙から

スピーチ.jpg

スピーチをするケニア赤・カマティ保健アドバイザーと日赤・五十嵐真希要員

保健省への委譲式典には、イシオロ州知事、保健省やケニア赤などの代表が参加し、日赤からは、東アフリカ地域代表の五十嵐真希要員と地域保健事業担当の近藤松子要員が出席しました。

五十嵐要員は日赤を代表して挨拶し「5年前に地元の医師から受け取った一通の手紙がきっかけで住民や保健省の願いを知り、手術棟建設が始まったこと」「日赤の事業は日本の子どもからお年寄りまで、たくさんの方がたの寄付から成り立っていること」を説明。

そしてこの日を迎えるまでに多くの苦労があったことを打ち明け、保健省やケニア赤、地域住民から次々と感謝とねぎらいの言葉が寄せられました。

手術室は「砂漠のオアシス」

手術室設備について説明するスタッフ.jpg

手術室の設備について説明する麻酔科医

保健省の医師は「この手術室は、まるで『砂漠のオアシス』です。乾燥・半乾燥地帯のこの地域で、より多くの人びとが恩恵を受けられます」とスピーチ。

住民が医療施設に行きやすくなり、イシオロ州やガルバチューラ県のみならず、周辺地域を含めた住民10万人への貢献も期待されます。医師は地域医療に変革をもたらす日赤の支援に喜びを表しました

長い道のりを経て

踊る五十嵐さん.jpg

式典では地域住民のダンスなどが披露されました。踊りの輪に加わる五十嵐要員(写真左)と近藤要員(同左から3人目)

これまで、建設は完了したものの、施工の不備が発見されたり、医療機材の納入が延期されたりと、手術室の稼働にはさまざまな困難がありました。

長い道のりを経て、多くの人びとの汗と涙、熱い思いが結集した手術棟の開所は、まさに地域住民の「夢」がかなった瞬間でした。

関係者一同は感無量、多くのいのちがこの手術棟で救われることを期待しています。

本ニュースの印刷用PDF版はこちら(PDF:664KB)