西アフリカ・エボラ出血熱 患者の不安に寄り添って:赤十字エボラ治療センター

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エボラ出血熱による死者は、12月に入り6000人を突破。

主な流行3カ国のうち、リベリアでは新たな感染の勢いは衰えてきているものの、ギニアでは再び上昇傾向。シエラレオネでは、今でも広範囲かつ急速に感染が拡大しており、現在も1週間で約390人の新たな感染が確認されています(WHO、2014年12月10日現在)。

患者のケアと感染予防、またエボラを克服した人びとへの支援が今も求められています。

生存率を上げる、エボラ専門の治療センターの役割

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赤十字のシエラレオネのエボラ治療センター©IFRC

治療薬がまだ開発されていないエボラ出血熱は、発症の初期の段階で、脱水を防ぐなどの適切な処置を取り、患者の免疫力を高めることにより、生存率を上げることができます。

しかし、患者の汗や嘔吐物などとの接b触で感染が広がってしまうため、十分な感染予防体制をもつエボラ専門の治療施設でケアを行うことが、患者の身近な人を守るために必須です。

赤十字のエボラ治療センター

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防護服で食事を提供する治療センターのスタッフ ©IFRC

赤十字はシエラレオネの東部ケネマで、約150人の現地スタッフと約20人の国際スタッフにより、60床のエボラ治療センターを運営しています。

センターは現在満床で、患者の苦痛と不安を少しでも和らげ、病気と闘うための体力の保持と回復のために、最大限の努力が続けられています。

センター内は、感染の高リスク・ゾーンと、低リスク・ゾーンに分かれており、感染が確定した患者を扱う高リスク・ゾーンでは、スタッフは全身を覆う防護服を着用し、患者の食事や排せつの世話、脱水症状への対応などを行っています。

体力を回復しエボラを克服した患者は、血液検査で体内からウィルスが完全に検出されなくなるまでセンター内で過ごし、エボラを克服した証明書を受け取り、センターを後にします。

これまでに、354人の患者と感染の疑いのある方を受け入れ、そのうち151人が死亡、149人が退院しています(2014年12月11日現在)。

エボラ克服後、社会復帰のための支援

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食料や生活必需品など、生活再開のための支援セットとともにエボラ治療センターを後にするザイーナさん ©IFRC

エボラを克服し、治療センターを後にするザイーナさん(38歳)。

エボラにより自宅で亡くなった夫の看病中に感染、5人の子どものうち4人も発症し、一緒にセンターに来ましたが、子どもたちは亡くなってしまい、1人での退院となりました。

家に残してきたの子どもの元に帰るのを待ち望んでいますが、将来には大きな不安を抱えています。

「以前は米料理を作って販売しており、(亡くなった)夫が米を買うお金をくれていました。新しい商売を始めたいのですが、人びとはわたしが提供する食べ物を恐れて買ってくれないかもしれません」

ザイーナさんのように、エボラを克服した患者の多くは、エボラへの誤解や恐れから、家に戻っても地域住民から排除される恐れと直面しています。

赤十字は、センターから退院する人びとに、エボラを克服した証明書と併せて、生活の再開のための支援セット(食料、マットレス、生活必需品、約4000円相当の現金)を提供しています。また、確実に地域社会に戻れるよう、あらかじめ赤十字のボランティアが地域住民に、退院した患者はすでに感染力がないことを説明。退院後も定期的に訪問し、エボラを克服した人のこころのケアにもあたっています。

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