エボラ出血熱~最前線で命を守る、遺体埋葬ボランティア~

防護服を身に着けるシエラレオネの赤十字埋葬チーム ©IFRC

西アフリカのギニアで2012年2月から流行が始まったエボラ出血熱による死者は、11月に入り5000人を突破。

リベリアとギニアでは、新たな感染の勢いは弱まりつつあるものの、隣接するシエラレオネでは現在も感染者が急増し、依然として危機的な状況が続いています。

当初はウィルス寄宿源の野生動物との接触で始まった感染は、今はヒトからヒトへの感染がほとんど。

上記流行3カ国は、いずれも今回が初めてのエボラとの闘いであり、一般の人びとに加えて、医療従事者にも正しい知識がなかったことが感染拡大の大きな要因となっており、適切な対処方の普及が急務となっています。

感染リスクの高い、遺体の埋葬

感染者の汗や排せつ物、血液などとの接触で感染するエボラウィルスは、感染者の死亡直前に最も感染力が高くなります。そのため、死者の体に触れることは非常に感染リスクが高く危険な行為となり、その取り扱いには細心の注意を要します。

一方で、今回の流行国である西アフリカには、死者の埋葬の際に家族が遺体を洗い、参列者も遺体に触れるという風習がありました。

エボラウィルスに関する知識がないまま身内の葬儀を執り行う中で、その家族や知人が新たに感染する可能性が非常に高まります。世界保健機関(WHO)の専門家によると、エボラによる新たな感染のうち少なくとも2割が、この従来の埋葬方法によるものと考えられています。

死者の98%を、赤十字ボランティアが埋葬

リベリア赤十字社の埋葬チーム連絡係が、携帯電話で
発症場所などを登録します ©Victor Lacken/IFRC

エボラによる5546人の死者のうち、実に98%にあたる5436人が、各国の赤十字ボランティアの埋葬チームによって、安全かつ尊厳のある方法で埋葬されています。

命を懸けたこの危険な作業に従事するのは、自分の住む地域のために名乗りを上げた、学生などの若い男性が中心です。

感染リスクが非常に高い埋葬ボランティアは、当初は自らも大きな不安を抱えつつも、一人あたり120時間にも及ぶトレーニングを受けた上で、厳重な防護服を着用し、チームでお互いの安全を確認しながら作業にあたっています。

1チームは平均7人。埋葬者、消毒者、運転手、地域住民との連絡調整係などからなるこのチームは、遺体回収の要請があれば、何時間でも車を飛ばして、死者の家やエボラ治療センターなどに向かいます。また、死者の所持品なども感染源となりうることから、同時に死者がでた家の消毒も行っています。

「誰かが村から、道端から遺体を回収して、新たな感染を防がなくてはいけません。私たちは必ずその家族に説明し、家族の納得の上で回収、埋葬しています。私にも妻と6人の子どもがおり、命懸けでこの作業にあたっています。でも、私も家族も、この仕事の意義を十分理解しており、安全のためのあらゆる手順に従って、自分と自分の社会を守ろうとしています」と、リベリア赤十字社埋葬チームのリーダーであるフライデーさんは語ります。

非常にお金のかかるエボラとの闘い

エボラとの闘いは、上記赤十字ボランティアのような人材に支えられています。しかし、彼らの身を守るための防護服や消毒剤、患者や遺体を運ぶための車両、また人びとの啓発活動のためのトレーニングなど、非常にお金のかかる取り組みでもあります。

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シエラレオネの赤十字埋葬チーム ©IFRC

  • 1チーム(7人)分の埋葬セット一式(防護服、遺体袋、担架など):約42万円
  • 防護服一式(マスク、ゴーグル、手袋、全身を覆う防護服など):約8700円
  • 遺体の医療用専用袋(1枚):約7500円

最前線でさらなるエボラの感染拡大の防止に努める赤十字とそのボランティアたちの活動を支えるため、ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたいします。

2014年西アフリカ エボラ出血熱救援金

受付期間 平成26年8月14日(木)から平成27年5月29日(金)まで

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