ルワンダで生計向上・栄養改善事業を支援

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ルワンダは四国の約1.4倍の面積を持つ小国。人口は1130万人

アフリカ東部に位置するルワンダ共和国では、日本赤十字社(以下、日赤)が国際赤十字・赤新月社連盟を通じて同国赤十字社の「生計向上・栄養改善事業」を支援しています。

日赤東アフリカ地域代表としてケニアに駐在する、五十嵐真希要員がこのほど現地を訪れ、事業視察を行いました。

養豚による生計向上が順調

政府やルワンダ赤十字社により、豚はワクチンを接種された上で提供されます

政府やルワンダ赤十字社により、豚はワクチンを接種された上で提供されます

ルワンダでの日赤の支援事業は2012年にスタート。同国の3県10村を対象に、生計支援や子どもの栄養改善などに取り組んでいます。

ルリンド県では養豚による生計向上支援を視察しました。経済的に脆弱(ぜいじゃく)な世帯をグループ化し、飼育の指導をした上で、メンバーに豚を提供します。生まれた子豚をグループの他のメンバーに譲ることで、持続的に収入や栄養源を確保する仕組みです。

豚は一度にたくさんの子どもを産むため、県の2つの村に提供した60匹は一年半足らずで160匹にまで増えました。

生活が豊かになり、豚小屋の前で喜びを語るカナニさん

生活が豊かになり、豚小屋の前で喜びを語るカナニさん

メンバーの1人、カナニさんは「豚をもらえて幸せです。この豚を売ったお金で子どもたちを学校に行かせてあげられます。健康保険に加入することもできました」と笑顔で話します。

ルワンダ赤十字社(以下、ルワンダ赤)の保健部長は「住民が主体となって、支援を最大限に活用できています」と取り組みを評価。今後、事業を拡大し、養豚支援を受けられる家庭を300世帯まで増やしていく計画です。

ボランティアや保健省との協働で住民が健康に

家庭菜園で活動するボランティアたち。提供したヤギも一緒に

家庭菜園で活動するボランティアたち。提供したヤギも一緒に

カモニ県ではヤギによる生計向上支援と栄養指導を視察しました。対象の4村では、女性グループや5歳未満の栄養失調児がいる世帯を中心に、ヤギや野菜の種苗を提供しています。

この地域はイスラム教徒が多いため、宗教上好まれない豚よりもヤギが希望されました。

ヤギの乳は子どもの栄養源として、ふんは菜園の肥料として活用することができます。

栄養講座で講師を務める保健省の栄養士(右)と母乳に良い食べ物について発表した女性グループのメンバー(左)。

栄養講座で講師を務める保健省の栄養士(右)と母乳に良い食べ物について発表した女性グループのメンバー(左)。知識の高さに驚きました

興味深いのは、野菜栽培と栄養改善の支援が連動していること。

赤十字ボランティアと地方政府が協力して家庭菜園指導を行い、保健省の栄養士が栄養講座や料理教室を開催します。住民は野菜の栽培方法から調理法までを知ることができます。

「この地域の主食は、以前は芋と豆でした。野菜栽培と栄養指導の結果、バランスのとれた食事に変わりつつあります」と五十嵐要員は成果を語ります。

今回視察した栄養講座では、講師による説明後、参加者の1人が指名され、急きょ「母乳に良い食べ物」について発表することに。彼女は聴衆の前でスラスラと自らの知識を披露し、定期的な栄養講座が住民に貢献していることが分かりました。

深まる日本とのつながり

カモニ県の栄養改善指導会場に集まる女性たちと、日赤東アフリカ地域代表の五十嵐真希要員(中央)

カモニ県の栄養改善指導会場に集まる女性たちと、日赤東アフリカ地域代表の五十嵐真希要員(中央)

ルワンダ赤はボランティアや地方行政機関と連携しながら、着実に事業を進めています。

日赤はルワンダ赤が他機関とのつながりをより強化できるよう、側面的な支援も行っています。

例えば、日本国大使館の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」への申請をサポートし、水不足に対応するための給水施設建設が間もなく開始されます。また、今年1月にはルワンダ赤に初めて、日本から青年海外協力隊員が着任しました。

安定しつつある国の保健状況がさらに改善されるよう、日赤は今後も支援を継続します。

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