フィリピン中部台風~現地での支援活動を報告

日本赤十字社(以下、日赤)は7月16日、1%(ワンパーセント)クラブ(※)とNPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)との共催による「フィリピン台風 支援活動報告会」を東京・千代田区の経団連会館で開き、昨年11月から今年2月までの3カ月間にわたって実施した緊急救援活動と現在実施している復興支援にむけた取り組みなどについて報告しました。

※1%(ワンパーセント)クラブ:経団連が1990年11月に設立した寄付や社会貢献活動に努める団体。

基礎保健ERUチームが被災地で医療活動

活動を報告する大津医師

昨年11月8日、死者6300人、行方不明者1061人、負傷者2万8689人、被災者約1608万人、損壊家屋約108万棟もの甚大な被害をフィリピン中部の島々にもたらした台風30号。

日赤は、基礎保健緊急対応ユニット(ERU)チームを派遣し、救援が届かず「忘れられた被災地」となっていたセブ島北部ダンバンタヤン郡で3班延べ35人の要員が、同郡の住民約8万6000人を対象にした活動を展開しました。

第1班のチームリーダーを勤めた大津聡子医師(日本赤十字社和歌山医療センター)は、日赤を中心とした国際色豊かなERUチームが、現地のボランティアや住民からの協力を得、仮設診療所での診療や巡回診療などの医療活動と、ヘルスワーカーらを対象にした地域保健の強化活動、こころのケアなどの活動に精力的に取り組み、住民から感謝されたことを報告しました。

佐藤展章国際部国際救援課長は、日赤が呼びかけた「2013年フィリピン台風救援金」に全国から約17億円以上が寄せられ、この救援金を活用して住宅や公共施設の再建などさまざまな復興支援事業を実施していると述べました。

緊急時に備えて約250人のERU要員

赤十字の活動実績を報告する佐藤課長

2人の報告に対して、参加者からは活発な質問が寄せられました。

日赤のERU要員についての質問に対し、「全国にある92の赤十字病院の職員を対象に研修を行い、現在約250人を要員として登録するなど、緊急時に備えた制度構築と教育を行っています」(佐藤課長)、「国際救援の拠点病院では日頃から緊急派遣について患者・職員の理解が得られており、緊急時に活動しやすい環境にあります」(大津医師)と回答。

また、「支援の公平性はどう確保するのか」との質問もあり、「現地での公平性を確保するにあたっては、国際赤十字として全国統一の支援基準を設定したうえで、地域住民が選定プロセスに参加し、基準に基づく支援対象者の選定や絞り込みを行う等、慎重に進めています」(佐藤課長)と答えました。