フィリピン中部台風~レイテ島で学校修復・再建をはじめます

国際部・松山職員

フィリピン共和国に昨年11月8日、台風30号(英語名:Haiyan)が上陸し、死者・行方不明者7361人、総被災者約1600万人(フィリピン政府発表)の甚大な被害をもたらしてから8カ月が経ちました。

日本赤十字社は、フィリピン赤十字社を通じて、皆さまから寄せられた救援金をもとに支援活動を続けています。

今回は高潮により最も深刻な被害を受けた被災地の一つであるレイテ島の現在の様子を、6月16~30日に現地調査を行った国際部・松山職員(写真左)よりお伝えします。

復興はまだ始まったばかり

タクロバン市アニボン地区

タクロバン市アニボン地区では、高潮で座礁した船のそばに人びとが有り合わせの材料で仮建てた住宅で暮らしています。このエリアは「再建禁止地区」に指定されていますが、住民の移住先の土地はまだ見つかっていません

レイテ島北東部にあるタクロバン市の市街地などは、商店で買い物をする現地の人びとで活気があります。町の中心の教会をはじめ、あちこちで建物の修復工事が行われているのを目にしました。

しかし、特に高潮被害の大きかった沿岸地域をはじめとして、住宅の再建はまだ始まったばかりです。多くの被災者が緊急救援で配布されたビニールシートで応急処置した住宅やテントで今も生活しています。

今回現地を訪問して、高潮の被害が大きかった沿岸地域だけでなく、強風がもたらした内陸地域の被害の深刻さにも驚かされました。内陸部を含めると、レイテ島だけでも被害地域は広範囲に及びます。復興には国際社会の息の長い支援が必要です。

学校にはさらなる支援が必要

タナワン・ナショナル・ハイスクール

タナワン郡のタナワン・ナショナル・ハイスクールの校庭には住宅を失った家族が生活するテントが立ち並んでいます。左奥の校舎の屋根は、台風の強風により鉄製の骨組みがグニャグニャに折れ曲がったまま。いかに強風の威力が凄まじかったかをうかがい知ることができます

現在は国際赤十字を含む多くの援助機関が、被災者の「住宅」の修理や再建に注力しています。また被災地の病院や診療所などの「保健施設」にも、多くの支援が集まっています。

しかし「学校」も、まだまだ多くの支援を必要としています。国際機関も各学校を支援していますが、被災した学校がレイテ島とサマール島全土で約1,300校と非常に多いことから、特に校舎の修復に対する支援は追いついておらず、多くの学校が屋根だけ応急処置をした教室や屋外に設置したテントで授業を行っています。

バーチュデス校長

バーチュデス校長

現地では24の学校を視察しました。そのうちの一つ、タクロバン市の南にあるタナワン郡のタナワン・ナショナル・ハイスクールのバーチュデス校長は、「全37教室のうちまだ20教室の修理や再建のめどが立っていません。トイレや給水衛生設備も修理する必要があります」と話してくれました。

訪問時も屋外に設置したテントで授業が行われていました。

屋外に設置したテントで行っている授業の合間に笑顔を見せる生徒たち

屋外に設置したテントで行っている授業の合間に笑顔を見せる生徒たち

同校の校庭では、住宅を失った多くの家族が今もテントで暮らしています。

日本と同じくフィリピンでも、学校は災害時に避難所となります。現地はすでに新たな台風シーズンを迎えており、早急な学校施設の修復が求められています。

日赤はフィリピン赤十字社との協力の下、フィリピン教育省の要請に基づき、まずはタクロバン市やタナワン郡などにある8つの学校の修復・再建を支援することを決定しました。

日赤は、皆さまから寄せられた救援金をもとに、台風30号(英語名:Haiyan)被災地各地で被災者の支援を行っています。

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