ICRC、シリアの人道ニーズに対する予算を拡大

シリアの前例なき人道ニーズ

爆撃後のシリア北部の都市アレッポの病院

爆撃後のシリア北部の都市アレッポの病院 ©ICRC/GARCIA VILANOVA, Ricardo

内戦が激しさを増すシリアの人道危機に対応するため、赤十字国際委員会(以下、ICRC)はシリアや近隣諸国での活動資金の予算拡大を発表しました。

シリア国内での活動の予算は合計で1億3900万スイスフラン(約159億1930万円)に達する見込みで、過去15年間のICRCの活動の中で最大規模となります。

ICRC中近東事業局のロベルト・マルディーニ局長は次のように語っています。

「シリアでの絶え間ない武力衝突は何百万という人びとに影響を与え、何千人もの命が危険にさらされています。破壊行為の広がりにより、基本的な公共サービスや重要なインフラはほぼ壊滅し、経済は行き詰まっています。

緊急のニーズに対応するためICRCは、シリアや近隣諸国での活動の範囲を早急に広げる必要があります。情勢が悪化するにつれて、絶え間なく増えるニーズと人道的な対応との溝は深まり続けています。提供されている人道的支援に比べて、ニーズがずっと早いペースで増えているからです。我われはまだ自分たちの保護活動・医療活動の範囲に満足しておらず、あらゆる関係者との対話をより密接に行うように努めています」

ICRCは各国赤十字・赤新月社と協力しながら、シリアの何百万という人びとに食料や水、その他の救援物資を配付してきました。しかし、特定の地域に住んでいる人びとに対しては、安全な経路をまだ確保できないため、緊急に必要とされている救援物資を届けることができていません。国際人道法が尊重されていないことや、戦闘行為が激しさを増していることなどが、中立、公平で独立した活動を続けるうえでの大きな障害となっています。

ICRCとシリア赤新月社は、赴くことが困難なシリア国内の地域へ、水や食料、その他の救援物資だけでなく、特に必要とされている医療支援を供給するための経路を確保する必要があります。

マルディーニ局長は「すでに政治的・経済的な安定感の欠如に苦しんでいる近隣諸国は、難民が流入してくるにつれてさらに動揺しています。内戦が長引けば、近隣諸国は難民と地元民の基本的なニーズをまかなうことができなくなり、結果として人道危機は急激に悪化してしまう可能性をはらんでいます。そのため、ICRCと各国赤十字・赤新月社また他団体は、シリア人難民と地元民の緊急時のニーズと長期的なニーズの両方を満たすために、自分たちの活動を調整していかなくてはなりません」と語ります。

10数万人のシリア人が避難しているレバノン、ヨルダン、エジプト、イラクで、ICRCは各国赤十字・赤新月社とともに、離散した家族が再び連絡を取り合えるよう支援するなど、重要な人道支援活動に取り組んでいます。

今回発表された予算拡大は7600万スイスフラン(87億400万円)に上り、内戦で被害を受けたシリア人に対する人道支援活動に用いられる合計予算は1億9300万スイスフラン(221億370万円)に達します。資金の大半はシリア国内のシリア人支援に充てられ、残りはレバノン、ヨルダン、エジプト、イラクで暮らす難民と地元民の支援に充てられる予定です。

ICRCとシリア赤新月社は3~4月、シリア国内の約90万人に水や食料などの必要物資を支給しました。またICRCは、よりよい支援を提供するため、内戦に関与するあらゆる当事者に協力を呼びかけ、国際人道法の尊重と救援活動従事者の安全が確保されるように努めています。

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※この記事は赤十字国際委員会(ICRC)のニュース記事を基に、赤十字語学奉仕団の協力により作成しています。