ベトナム赤十字社と日赤~深まる協力・つながるボランティア

ベトナム赤十字社のグエン・フー・ホン副社長が5月22~23日、日本赤十字社を訪問しました。

世界189の国と地域に広がる赤十字ネットワークの一つ、ベトナム赤十字社と日本赤十字社のつながりをご紹介します。

ベトナム赤十字社と日本赤十字社のかかわり

両国間の関係について語る、ベトナム赤十字社副社長(右)

両国間の関係について語る、ベトナム赤十字社副社長(右)

日本とベトナムは1973年に外交関係を樹立して以来、2013年で40周年の節目を迎えました。そんな両国の赤十字社は、どのような関係を持っているのでしょうか。

ベトナム赤十字社は1957年に承認され、幅広い活動を行ってきました。中でも災害時における支援団体の一つとして同国内では知られています。

日本赤十字社との関係では、1980年代後半に日本中の注目を集めた、ベトナムの結合双生児「ベトちゃん、ドクちゃん」の救援を連想される方が多いのではないでしょうか。両国医師による手術の成功は、それまでは大きな協力関係のなかった両国赤十字社のきずなを強めただけでなく、戦後の復興に力を尽くしていたベトナム国民にも、大きな自信をもたらしました。

その後の両国赤十字社の協力において最も象徴的といえるのが、日赤が長年支援しているマングローブ植林を通じた「ベトナム災害対策事業」です。1997年に始まった本事業は今年で18年目を迎え、災害多発国であるベトナム住民を洪水や高波の被害から守ることに貢献しています。

来日したホン副社長は、「ベトナム災害対策事業は、ベトナム赤十字社内でも非常に成功している事業の一つとしてよく知られています。日赤の支援で、これまで植林された1万109ヘクタール(東京ドームの約2162個分)にも及ぶマングローブ林は、台風などの災害から国民を守るだけでなく、地域の自然保護にも役立っています」と語ります。

日本でもベトナムでも 地域を支える赤十字ボランティア

日本では、研修を受けて各都道府県支部に登録された赤十字の防災(救護)ボランティアや、地域ごと、または特殊な技能を生かして構成された赤十字奉仕団のメンバーが、災害救援の現場で活動。ベトナムでも、地域の防災の中心を担っているのは、ボランティアです。

2013年には、ベトナム赤十字社の1200人にも及ぶボランティアと地域住民によって、植林されたマングローブの保護活動や、コミュニティーにおける防災訓練が行われました。

活動に携わる赤十字ボランティアの数も年ごとに増えています。最初はマングローブの保護だけにかかわっていた住民の中から、赤十字について学んだことをきっかけに、赤十字ボランティアとして長く活動に携わる人も登場しています。

マングローブ事業の主な担い手であるボランティアの力についてホン副社長は、

「この事業が始まった当初は理解をなかなか得られなくて、ボランティアの数も少なかったのです。でも、徐々にマングローブの木が育ち、増え、それが林になり森が増えるにつれて、ボランティアの数も増え、彼らの力によって活動が活発になっています」と語ります。

マングローブ林を見学する北関東の赤十字ボランティア

マングローブ林を見学する北関東の赤十字ボランティア

本事業を通して、両国の赤十字ボランティアの交流も盛んに行われています。

昨年10月には、北関東で活動する赤十字ボランティア12人が事業地であるニンビン省とハイフォン省を訪れ、マングローブ事業地や防災学習を行っている小学校を訪問しました。

普段から日本で災害救護活動や救急法普及に携わっているメンバーは、「ベトナム赤十字社の行う防災事業やボランティアの活動を知った経験を生かして、日本での救護活動に今まで以上に取り組んでいきたい」とこの交流の成果を振り返ります。

日本でも、ベトナムでも。地域の住民を災害の被害から守るために、赤十字ボランティアが活躍しています。

日本のサポーターへのメッセージ

この防災事業は、日赤に寄せられた日本の皆さまからの寄付金と海外たすけあい募金に支えられています。今回ホン副社長は、日本のサポーターの方がたに感謝のメッセージを残されました。

「長年の支援にとても感謝しています。ベトナムは災害多発国で、まだまだ被害者の数が多いのが現状です。引き続きベトナムでの被災者を一人でも減らすため、一緒に歩んでくださればうれしいです」