フィリピン中部台風から6カ月~復興に向けて

フィリピン共和国中部を昨年11月8日、台風30号(英語名:Haiyan)が直撃。死者・行方不明者7,361人、総被災者1,600万人(フィリピン政府発表)の甚大な被害をもたらしてから、半年が経ちました。

復興は長い道のりとなることが予想されており、国際赤十字は3カ年にわたる約370億円規模の計画を基に復興支援を進めています。日本赤十字社(以下、日赤)は、皆さまから寄せられた救援金をもとに支援活動を続けています。

現地での活動にはボランティアが不可欠です。日赤がセブ島北部で続けている活動も、そういったボランティアに支えられています。フィリピン赤十字社(以下、フィリピン赤)のボランティアであるウィリンダ・ゴーさんは、昨年11月の緊急救援の際から日赤の活動に携わっています。

ボランティアとして初めての医療救援活動

処方された薬について患者に説明するウィリンダさん

処方された薬について患者に説明するウィリンダさん

ウィリンダさんは、看護師の資格を持つボランティア。

台風被災者への物資の配付を行おうとフィリピン赤のセブ支部にいた際に、現地の看護師を探していた日赤の保健医療チームに参加することになりました。

2013年11月20日の救援活動開始から2014年2月7日の活動終了まで、日赤の保健医療チームで共に働きました。

「私はボランティア仲間であるフロリエンヌと、保健医療チームに参加しました。私たちはチームで最年少。国際赤十字の緊急医療の研修は受けていましたが、実際の活動は初めてでした。

海外の赤十字社のスタッフと働くのも初めてだったので、チームに合流する時はとても不安でした。でも、皆さんはとても歓迎してくれて、活動を通して多くのことを学びました。

医学的なことだけではなく、チームのメンバーの仕事に取り組む姿勢にも感銘を受けました。本当に仕事が好きで、一生懸命に楽しみながら働いているのです。私は日赤のチームが大好きでした。だからフロリエンヌと一緒に最後まで活動をサポートしたのです」

住宅の補修・再建に向けた家庭訪問

有り合わせの材料で修復されている住宅

有り合わせの材料で修復されている住宅

日赤が活動を行うセブ島最北端のダンバンタヤン郡では、約9割の家屋が被害を受けました。

来月には再び台風シーズンが到来することから、昨年の台風30号で被災した住宅の早急な修復や再建の支援が求められています。

国際赤十字がフィリピン政府と共同で調整役を務めている住宅支援クラスター(調整機構)によると、200万人以上が風雨に耐えられる住宅を必要としています。

日赤はダンバンタヤン郡の500世帯に、住宅の再建や補修を支援する計画です。現在はウィリンダさんをはじめとするボランティアが、特に貧しく支援が必要な人の家を戸別に訪問し、状況の聞き取り調査を行っています。

「現地では支援を受けての、また自力での修復が始まっているので、既にある程度修復されている家屋が多いだろうと言われていました。でも実際は修復が進んでおらず、全壊したままの家屋が多いことが分かりました」と、日赤の森本駐在員は話します。

必要とされているのは住宅だけではありません。家庭訪問をするなかでウィリンダさんは、他の分野での対応の必要性を感じています。

「住宅を支援するための戸別訪問ですが、生計状況の調査や保健衛生の支援も関わっています。例えば、水は沸かしてから飲んだ方がよいとか、痩せた子がいる母親には栄養についてアドバイスするなど、家庭の状況によって助言を行っています」

日赤は復興に向けて、健康状態の向上や将来の災害への備えにつながる保健衛生教育なども、併せて行っていきます。

将来は救援と看護の両立をを目指して

調査に向かうウィリンダさん

調査に向かうウィリンダさん

ウィリンダさんは、将来は看護の仕事と救援活動を両立させて働きたいと思っています。

「フィリピン赤にボランティアとして参加した時、『緊急救援という新しい分野に、一歩踏みだすことができた!』と思いました」と話すウィリンダさん。

「今回の台風災害の救援活動で日赤の看護師さんたちに会い、『この人たちみたいな仕事をしたい!』と強く思いました。

フィリピンの病院では、国内の災害の被災地に行き病院に戻ると、そこにはもう居場所がなく、解雇を言い渡されることがあります。でもいつかは日赤の看護師さんたちのように、緊急救援の現場でも活動する看護師になりたい。

今後は日赤の復興支援を通じて、コミュニティーでの経験を積んでいきたいと思います。そして、将来は海外でも活動したいと思っています」

日赤の復興支援

赤十字運動月間

日赤は皆さまから寄せられた救援金をもとに、セブ島北部以外のフィリピンの被災地でも支援を行っています。