グアテマラ共和国でのデング熱予防計画

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グアテマラ共和国(以下、グアテマラ)では昨年7月、水道が整備されていないなどのさまざまな問題により、感染症のデング熱(※)の患者が急激に増加しました。

※デング熱:デングウイルスを保有した蚊に刺されることによって感染する疾患。発熱・頭痛・関節痛などの症状が現れます。

グアテマラ南部・ケツァルテナンゴ県のコートペク自治区、ラ・ソレダッド村に住むミリアム・ゴメスさんはフルーツを売り、夫は近隣のバナナ農園で働いて生計を立てています。夫妻には5人の子どもがいるため、2人の収入を合わせても家計は常にとても苦しい状態です。

そんな中でミリアムさんは、夫がデング熱にかかっているのではないかと感じることがありました。「体中が痛く悪寒がして、解熱鎮痛剤を飲んでも、ちっとも効かないそうです」

ミリアムさんは最近生まれたばかりの子どもが、デング熱にかかってしまうのではないかと心配していました。「夫が働く農園では、バナナの茎に水が溜まるために、デング熱を媒介する蚊が集まりやすいのです」

そこで、ミリアムさんの夫に血液検査を受けてもらったところ、デング熱ではなくインフルエンザであることが判明。事なきを得ました。このように検査は、正しい治療を受けるために必要です。

地域密着型の「デング熱予防」教育プログラム

昨年7月にデング熱の患者が急激に増加したため、グアテマラ赤十字社は「デング熱予防」として教育プログラムを実施しています。これは、公共機関や地域社会とともに行う取り組みで、デング熱の感染源を排除し、より多くの人にこの病気の予防法や症状を理解してもらうことが目的です。

ラ・ソレダッド村には水道が整備されていないため、多くの家庭ではたるに水を溜めています。このような状況が、デング熱を媒介する蚊の発生につながる問題点として特定されました。

ジョージ・アンブロッシオさんは、グアテマラ赤十字社のコアテペケ支部のデング熱予防行動計画のコーディネーターです。「プレガントン」というデング熱について学ぶゲームを教育プログラムに取り入れて、人里離れた地域の学校に導入しています。

「ゲームの内容は、箱の中に入れたデング熱についての質問を、生徒たちにどんどん答えてもらうというものです。授業中に生徒たちがどれだけ知識を得られたか確認でき、またゲームなので楽しく学ぶことができます」とアンブロッシオさんは語ります。

グアテマラ赤十字社は学生たちを通じて、地域住民にもデング熱の知識を伝えています。子供たちはゲームの後に学校の周りを歩き回って、蚊の繁殖地となりそうな場所を確認し、デング熱の撲滅のために学んだことを実践しています。

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ラ・ソレダッド村の集会所に勤めるタニア・バナレスさんは、デング熱を予防するためには赤十字や保健省、地域社会の協力が必須と言います。

「赤十字の支援が始まる前は本当に大変でした。村に10人しかいない保安官が村人の健康管理も行っていましたが、職員が足りず、デング熱についての教育を行う家庭訪問ができませんでした。今は赤十字の支援によって職員を増やすことができたので、家庭訪問も行えています」

レオナルド・ラモス・パストルさんは、27年にわたってラ・ソレダッド村の保安官を務めています。

パストルさんは赤十字の教育プログラムの効果について、「私がここに来て以来ずっと、地域住民と共有できていなかったデング熱に関する知識を、赤十字は教育プログラムを通じて伝えています。昨年この村から9人のデング熱の患者が出ました。そのために最も心配なのは病気の流行ですが、現在は赤十字との協力で予防できています」と語っています。

※この記事は国際赤十字・赤新月社連盟のニュースを基に、赤十字語学奉仕団の協力により作成しています。