ギニア共和国でエボラ出血熱発生

西アフリカで初のエボラ出血熱発生、感染が拡大

ギニア共和国(以下、ギニア)南部で、今年2月初旬に発生したエボラ出血熱。

世界保健機関(WHO)によると、4月1日現在、ギニアでは83人が死亡し、44人の感染者が確認されています。

隣国のシエラレオネ共和国では、ギニアに滞在していた2人が死亡しました。また、リベリア共和国では5人が死亡し、3人の感染者が確認されています。

WHOはギニア国境地域で人の移動等、監視を強化しています。

ギニア赤十字社はギニア保健省や関係機関と協力し、エボラ出血熱の発生当初から、感染予防や感染経路の把握などに尽力しています。

エボラ出血熱はアフリカ中央部や西サハラ地域で断続的に発生してきました。しかし、西アフリカでの発生は初めてです。

この病気を引き起こすエボラウィルスは、宿主とする野生動物を媒介に人間に感染すると考えられており、感染者への接触や患者の血液、唾液などから感染します。致死率は90%。現在のところ、感染を予防する有効なワクチンはありません。治療を行う医療従事者が防護服等を正しく着用せず、本人が感染してしまうケースもあります。感染予防のための正しい知識を持つことが重要となっています。

感染予防活動や正しい知識普及を進めるギニア赤十字社

ギニア赤十字社は、エボラ出血熱の発生直後から感染者の発生地域にボランティアを派遣し、地域住民に対して感染予防策に関する正しい知識を普及しています。

今後は、感染者が発生していない地域でも正しい感染予防策を普及する必要がありますが、現時点ではトレーニングを受けたボランティアの数が不足している状態です。

国際赤十字・赤新月社連盟は、現地に調査チームを派遣しました。

チームには感染症の専門家だけでなく、「こころのケア」に関する専門家も含まれています。致死率の高い病気に対しては、感染者や家族、そして、地域の人々のこころを守り、病気への理解を深めてもらうことが重要だからです。多様な観点から、今後どのような対策が必要か調査を行っていきます。

偏見を取り除くために ~社会から隔絶される感染者と家族~

感染者が発生した地域の人びとは、感染を恐れて、できるだけ家から出ないようにしています。

西アフリカでのエボラ出血熱の発生は初めてのため、人びとにはこの病気に対する十分な知識がまだありません。病気に関する漠然とした恐怖がまん延しています。

エボラ出血熱の致死率は高いものの、完治する患者もいます。しかし、現地では、患者が完治しても、周囲の人々が正しい知識を持たず、「完治者からまだ感染する可能性があるのではないか」と考えがちです。そのため完治者は地域社会から隔絶され、市場や教会へも行けず、自分の家庭にさえ戻ることができません。

感染者の家族も地域社会から疎まれ続けるなど、偏見にさらされることがあります。

ギニア赤十字社は、国際赤十字・赤新月社連盟の支援を受けながら、「正しい予防策」を普及するとともに、この感染症の性質について知ってもらい「感染者とその家族への二次被害」を防ぐことに注力しています。

正しい予防知識を地域の人々に理解してもらうことで、完治者とその家族がこれまでと同じように地域社会で暮らせるよう、支援を続けています。

さらに、エボラ出血熱の症状はマラリアの症状に非常によく似ているため、医療従事者が、マラリアの患者をエボラ出血熱感染者であると診断して隔離するという事態も。間違った診断結果を受けたマラリア患者は、本来、受けるべき治療が受けられず症状が悪化するケースも見受けられます。

ほかの病気の治療も確実に進めていけるよう、地域の人々だけでなく、医療従事者に対してもエボラ出血熱についてより一層適切な情報提供を進めていくことが重要です。