ウクライナ衝突に対する赤十字の救護活動

ウクライナでは2013年11月以降、ヤヌコビッチ大統領が率いる現政権とこれに反対する勢力との間で、散発的に衝突が続いてきました。

2014年2月18日には首都キエフの独立広場を中心に、反政権派の市民と治安部隊との間で、これまでにない大規模な衝突が発生。一部報道によれば、20日までの3日間におよそ75人が死亡し、数百人が負傷したといわれています。

22日にはヤヌコビッチ大統領がキエフを離れ、野党指導者のトゥルチノフ議長が大統領代行に選出されるなど、政権の崩壊とともにウクライナの情勢は急激な変化を迎えています。また各地で、それぞれの指導者を支持する人々が集会を開くなど、不安定な状況が続いています。

「中立」の赤十字が負傷者を救護:危険と隣り合わせの活動

00004311_s_1_VcContents_B-0_VcContentsImage_B001.jpg

負傷者の救護にあたる赤十字ボランティア ©IFRC

ウクライナ赤十字社は今回の大規模な衝突を受けて、ボランティア56人による「緊急対応チーム」を中心に、24時間体制で救護活動を展開しました。

ボランティアは独立広場での衝突で負傷した人びとに応急手当を施し、周辺の安全な場所で待機する救急車まで担架に乗せて搬送しました。彼らの懸命な救護により、これまでにおよそ360人の負傷者が病院へと搬送されました。

赤十字は常に政治的・思想的中立を貫き、いずれの立場の負傷者に対しても迅速かつ公平に支援の手を差し伸べてきました。しかし残念ながら、ウクライナではこうした赤十字の原則が十分に理解されていない実態があります。

2月20日には活動中の赤十字ボランティアが銃撃され、独立広場の周辺ではさまざまな医療関連の団体が赤十字の標章(赤十字マーク)を誤用していました。

ウクライナ赤十字社はインターネットなどを使って、赤十字の標章を誤用することがないように、また赤十字の標章を付けた救護員やテントを攻撃することがないように、人びとや関係機関に働きかけています。

先行きが不透明な情勢の中で、赤十字は引き続き必要な支援を続けていきます。