防災とボランティアの日に寄せて~インドネシア・防災事業

本日1月17日は「防災とボランティアの日」です。19年前の阪神・淡路大震災を契機に「災害時のボランティア活動や自主的な防災活動を深めるとともに、災害への備えの充実強化を図ること」を目的として定められました。

この日に寄せて、日本と同じく災害多発国であるインドネシア共和国で日本赤十字社が支援している「インドネシア・コミュニティー防災事業」をご紹介します。

住民が自ら考え、行動することの大切さ

日本赤十字社(以下、日赤)はインドネシア赤十字社が、インドネシアの首都に隣接するバンテン州の2カ所(チレゴン市とパンデグラン県)6村を対象に実施する「コミュニティー防災事業」を支援しています。この事業は、住民が自分たちの住む地域で起こりうる災害を理解し、自らの力で災害に立ち向かえるようになることを目指しています。

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パンデグラン県クバンカンピル村と幹線道路をつなぐ道。前日の雨で冠水しており、移動もままなりません。例年雨季には住居の1階部分が水没し、住民の生活と財産に大きな被害が出ています

チレゴン市は工業地帯を擁していることから、大気汚染などの工業地帯特有の危険に取り組むという難しい課題を抱えています。

一方でパンデグラン県は、地形が平坦なことからほぼ毎年洪水の被害に遭っており、避難ルートの設定や非常用物資の備蓄などの対策が必要とされています。

このような地域特有の災害に対応することができるのはその地域に住む住民自身であり、災害が発生した時に真っ先に被災者を救助することができるのも住民自身です。

災害へのさまざまなリスクを自ら考え、主体的に取り組むことは、地域の災害対応能力を向上する上で欠かせない活動です。そして、住民にこれらの知識を普及する担い手として、ボランティアと地元赤十字社の存在も欠かせません。

日本赤十字社は2013年の1年間、コミュニティー防災事業を通して、活動の基盤となるボランティア84人の養成とインドネシア赤十字社の体制づくりに注力してきました。

活動のカギとなるボランティアの意欲

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ボランティアへの聞き取り調査を行う日赤の吉田祐子要員。この1年間は事業の基盤となるボランティアの養成と、インドネシア赤十字社の支援能力向上に注力してきました

先月16日~18日にかけて行われたこの事業の中間評価では、地元住民で構成される「防災ボランティア」と、彼らを取りまとめる「赤十字ボランティア」が一堂に会して、昨年1年間の活動に対し活発な意見交換が行われました。

パンデグラン県の防災ボランティアは、この1年間の活動を通じて地域を自らの手で守ることへの意識と意欲が高まったことに自信を持ったようです。

彼らは「地域のために何かできることはないか」と、助役や年長者も交えて隔週で検討するようになったといいます。

「これまでは世帯ごとに災害に対応していましたが、今はコミュニティー全体として災害が起きる前から何が準備できるかを一丸となって考えるなど意識が変わりました。コミュニティー全体の結束力も高まったように思います」と防災ボラティアの一人が語ってくれました。

一方で、彼らの意欲を維持し、適切なタイミングでニーズに合った支援を提供するためには、支援主体であるインドネシア赤十字社とボランティアのより緊密なコミュニケーションが必要であることも浮き彫りになりました。

地域住民への防災活動の普及を目指して

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「時間のかかる取り組みかもしれませんが、コミュニティーはこの活動にとても期待しています。そのためにも赤十字ボランティアとして私も積極的に防災知識を広めていきたいと思います」と語る、赤十字ボランティアのアルサーさん

今年は、昨年結成されたボランティアグループを通じて、地域住民に防災活動を広げていく予定です。具体的には、非常時用物資の備蓄、避難ルートの設定と避難訓練の実施などを充実させることが目標です。

インドネシアでは、災害発生直後の緊急救援には多くの関心が集まりますが、日本赤十字社はこれからもインドネシア・コミュニティー事業の実施を通して、平時からの「災害に強い地域づくり」を支援していきます。

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