チリ大地震~支援の効果を持続させるために

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2010年2月27日に発生したチリ大地震(マグニチュード8.8)は、死者525人、行方不明23人、被災者約200万人、損壊家屋27万9000世帯という被害をもたらしました。特に、海沿いの漁村への被害が甚大でした。

日本赤十字社(以下、日赤)は発災直後に緊急支援を行うとともに、その後3年にわたり零細漁民の皆さんの生計再建を目標に支援を行ってきました。

第1期の支援では、零細漁民の方々の命であるボートやエンジンを提供し、第2期の支援では、主に零細漁民の皆さんからプロジェクトを公募し、そのプロジェクトに必要な機材の提供を行ってきました。現在は、この第2期支援のまとめの時期に入っており、今後いかにフォローアップしていくかが課題となっています。

※チリ地震救援金は、2010年3月1日~2013年3月31日の受付で629,997,484円をお寄せいただきました。ご協力ありがとうございました。

本当に必要としているものを提供する

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チリ大地震の復興支援の特徴は、「生計を再建するために、被災者は真になにを必要としているのか?」ということを被災者自身に聞いたという点です。

具体的には、零細漁業関連の団体に向けて生計再建のためのプロジェクトを広く募集し、自助努力のための支援を目標に受益グループを選定しました。

応募した団体78件のうち19件が支援対象となりました。

支援の内容は、潜水服や馬追い漁のための馬、海藻やイカの巻上機、安全確保のための無線機やGPSなどの機材の提供や、貝の養殖のためのプラント、レストラン、そして水産加工工場の建設など多岐にわたります。

専門性の高い組織と協働する

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被災地域の零細漁民コミュニティーが、どのような関係性の中で復興していくかを、地元のコンセプシオン大学が概念図で表しました(右図)。

コミュニティーの復興・発展のためには、漁業に関する更なる技術や能力の向上が必要です。また、乱獲せずに漁場環境を守っていくことも長期持続的な復興には不可欠な要素であるということを、この図で説明しています。

この考え方をもとに、日赤・チリ赤十字社は大学と協働し、零細漁民コミュニティーへの支援を行っています。今回のように、より専門知識が求められる支援のためには、その分野の専門機関と協働することが非常に大切です。

機材提供だけではない能力向上のための支援を

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しかしこのような考え方は、当事者である受益者の方々が意識しなければ、円滑に機能しません。

今回の支援の根底には受益者の「自助努力」という目標があります。

その観点から、今後受益者がより安定して生計を再建できるように、受益者の能力向上のための支援が必要となってきています。

今後いかに継続して、支援を効果的に活用していくかを、受益者の皆さんとともに考えています。

その一環として受益者の皆さんに対し、行政機関や大学とともにワークショップを開催しています。生産管理、経営管理の手法、受益者が収穫する海産物などの調理の講習、また環境保全に関する教育など、学ぶべきことはたくさんあります。

受益者の方々が、日本の寄付者の皆さまからの支援をいかに継続的に活用していけるか、今後を見据えた準備がまさしく今進められています。