シリア、消息の分からない多くの人~愛する家族を探し求めて

シリアにおける離散家族支援活動

行方不明の家族を探す女性(シリア)©ICRC

「主人に一体何が起きたのか、何も分からないのです」とライラさんは言います。彼女の夫はシリアのアレッポで1年以上前に行方不明になりました。

「生きているのか死んでいるのか、それすら分かりません。夫のことを考えると夜も眠れません。もし生きているのなら、屋根のある場所で雨露をしのいでいること、もし亡くなっているのだとしても、せめて遺体が安らかに安置されていることを願っています」

国際人道法では、紛争当事者は戦闘の結果として行方不明になった人びとの消息をあらゆる手段で調査し、把握している情報を家族に提供しなければならない、とされています。そして、抑留者や捕虜となった人びとの近況は、彼らの家族に伝えられるように配慮しなければなりません。

また、亡くなった方についても、身元の確認ができるように埋葬する前に可能な限り情報を記録して、埋葬場所を示さなければならないことになっています。

「家族の消息が分からないことにより、人びとは不安とストレスを募らせて精神的な苦痛を感じています」と、赤十字国際委員会(ICRC)シリア代表部のマグネ・バルト主席代表は言います。

内戦によって離ればなれになった家族の居場所を探して再会を支援する活動は、シリアにおけるICRCの中心的な活動です。

「私たちは、抑留されている人々と行方不明とされている人々の消息について情報を公開するように、定期的にシリア当局に要求しています。また、反体制派にも同様の要請をしています。これはシリアでの重要な活動の一つです。ICRCに支援を求められることを、より多くの人々に知ってほしいと思います」とバルト氏は言います。

今年に入ってからICRCは、シリアで行方不明となった家族の調査依頼を1,000件以上受けています。そのうち、およそ8割の人々は抑留されていると考えられています。しかし、これらの調査依頼はごく一部に過ぎないと思われます。

ICRCは、家族が無事に再会を果たせる日が来るように、粘り強く活動を続けていきます。

シリアにおける継続的な支援活動

避難民の少女がICRCのトラックから清潔な水を受ける(ホムス)©ICRC/E.Almasri

ICRCは、このほかにもシリア全土で次のような活動を継続しています。

2013年9月の主な活動実績

(1) 水と衛生分野

  • ハマに住む150万人が安全な飲料水を利用できるように環境を改善
  • 東アレッポでゴミの収集を行い、50万人の衛生環境を改善
  • すべての県の水道委員会に技術専門家、資材、ポンプや発電機などの機材を提供
  • 国内避難民5800人を収容する29カ所の施設で水道、住居、衛生設備の改良を完了、また国内避難民4800人を収容する23カ所の公共施設で設備の改良を継続中
  • ホムス、ダマスカス近郊とデリゾールの住民10万7000人に水の供給を継続
  • ハマとダマスカス近郊で合計5300本の飲料水ボトルを配付

ICRCの移動クリニックで診察を受ける女性(ルトゥース)©ICRC/E.Almasri

(2) 保健・医療分野

  • アレッポ近郊の入院患者150人に車いす50台と麻酔薬、やけど治療薬、医薬品を提供
  • クネイトラの国立病院へ200人分の点滴薬を提供
  • パレスチナ赤新月社を通じて、ダマスカス、ヤルムーク、ホムスなどの病院に、負傷者150人の外科手術のための医療消耗品を配付
  • シリア保健省に7500人分の点滴薬を提供

(3) その他の分野

  • アレッポ、ダマスカス、ハマなどの住民約32万人に食糧を配付
  • アレッポ、ダマスカス、ハマなどの住民10万8000人にマットレスと毛布を提供
  • アレッポ、ダマスカス、ホムスなどの住民約4万1250人にキッチンセット(鍋、皿、カップ、カトラリーなど)を配付
  • アレッポ、ダマスカス、ホムスなどの住民14万人にシャンプー、石けん、洗濯石けん、女性用衛生用品などを配付

※この記事はICRCのニュース記事を元に、赤十字語学奉仕団の協力により作成しています。

海外救援金 -ご協力のお願い-

日本赤十字社は、内戦によりシリアと周辺国で苦しんでいる人々を支援するために、シリア救援金へのご協力をお願いしています。内戦長期化を受けて、救援金の受け付け期間を延長しました。

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