紛争で傷ついた人を救う仕事~ICRCで働く日赤スタッフ~

難民キャンプでの聞き取り調査を行う五十嵐要員 ©ICRC

難民キャンプでの聞き取り調査を行う五十嵐要員 ©ICRC

日本赤十字社は、災害救援や復興・紛争復興・開発協力など、支援を必要とする国々に多くの日本人スタッフを派遣しており、平成24年度は14カ国に延べ48人を派遣しました。

今回はその中で、主に紛争地での人道支援に携わる赤十字国際委員会(ICRC)に派遣されている五十嵐玲奈要員の活動を紹介します。

ICRCは、世界80カ国で約1万2500人のスタッフが、収容所内にいる捕虜や被拘束者の生活環境と待遇の監視、緊急援助物資の配布、紛争犠牲者の保護や医療サービスの提供、離散家族や行方不明者の安否調査、人道法の普及などの活動を行っています。

五十嵐要員は、2011年4月から2012年4月まではジンバブエで、2012年6月から2013年6月まではウガンダで、保護活動担当要員(プロテクション・デレゲート)として活動しました。

刑務所、収容所、難民キャンプの内側で苦しんでいる人のために

5時間かけて山奥の村を訪ね行く

5時間かけて山奥の村を訪ね行く

2012年に独立50周年を迎えたウガンダは、アフリカ大陸の中央部、赤道直下に位置し、ヴィクトリア湖をはじめ多くの湖や緑の山々に恵まれ、その美しさは『アフリカの真珠』と言われています。

しかし一方で、過去の紛争により、多くの人々が収容所暮らし、あるいは難民生活を送っています。

「私の任務は、警察や刑務所、軍事施設などの収容所を訪問し、被拘束者の処遇改善や収容所の環境改善を図るほか、難民キャンプで離れ離れになった家族を探す支援を行うことです」

特に印象的だったのは、かつて拘束されていた人の安否確認のため、山奥の村を訪ねた時でした。

「わかっていたのは村名のみ。雨の降る中、車で5時間かけてやっと村にたどり着きましたが、探していた人はなかなか見つかりませんでした。村の人に聞いても、見当違いの場所や違う人のところに連れて行かれたり…」

「後からわかったことですが、最初、村の人々は私たちのことを警戒して、わざと本当のことを教えてくれなかったそうです。でも赤十字だとわかって、信用してもらうことができました。やっと会えた時は本当にうれしかったです。何か支援物資を持って行ったわけではないのですが、赤十字が出所後もわざわざ自分を訪ねてきてくれたと、とても喜んでくれました」

軍当局に対し国際人道法の研修を実施

軍当局に対し国際人道法の研修を実施

「世界には、紛争の犠牲になって苦しんでいる人や、家族と離ればなれになって収容所で生活している人がたくさんいます。ウガンダで私が行っている活動は、ほんの小さな支援かもしれません。それでも、収容所で外部との接触も限られている人たちは、赤十字が訪問して、ほんの少し会話を交わすだけで、とても喜んでくれます」

「これからも、今、目の前で苦しんでいる、赤十字の支援を必要とする人々のために活動を続けて行きたいと思います」と語っています。

五十嵐要員は、2013年7月からはジュネーブにあるICRC本部で、青少年への人道法普及プログラムに携わっています。