いのち救う車両をケニア赤十字社に整備―都民共済からの支援

車両の到着を喜ぶケニア赤十字社のスタッフと日本赤十字社のケニア駐在員。

車両の到着を喜ぶケニア赤十字社のスタッフと日本赤十字社のケニア駐在員。

東アフリカに位置するケニア北東部のガルバチューラ県。

公共交通機関が存在しないこの地域で、ケニア赤十字社(以下、ケニア赤)が実施する巡回診療や救急患者の搬送などには車・バイクが欠かせません。

都民共済から創業30周年記念として今回寄せられた寄付により、ケニア赤に新しい車両が整備されました。

待ちに待った車両が到着

ガルバチューラ県では、ほとんどが徒歩、もしくはトラックの荷台やロバを使って移動しています。

ガルバチューラ県では、ほとんどが徒歩、もしくはトラックの荷台やロバを使って移動しています。

2013年6月上旬、新しい車両が届きました。ケニア赤のスタッフとボランティア、保健省チームなど、その場にいた全員から大きな歓声と安堵の表情がこぼれました。

これまで使っていた車両の走行距離は既に18万キロメートル。

県内ほぼすべての道路が未舗装の悪路という環境のため損耗が激しく、修理を続けながら運用していました。

赤十字の車両の存在価値―ガルバチューラの人びとのいのちの綱

毎月、最寄りの医療施設から数十キロメートル離れた7つの村に基礎医療サービスを提供するため、巡回診療チーム(医師に準じた有資格者・看護師・栄養士・薬剤師・検査技師)、保健省のチーム、地域保健師、ボランティアを乗せて、数百キロメートルの悪路をほこりにまかれながら走り続けます。

さらに治療が必要な患者や合併症などにより様態が悪化した妊婦を、大きな医療施設へ搬送する際にも利用されます。

特にこの地域では、栄養失調により極度の貧血となる妊婦や、多産のための難産などが多く見られ、搬送が遅れたために母子共にいのちを落とす事例が後を絶ちません。

ケニア赤スタッフによる17の村への保健衛生活動や健康状況の視察、ボランティアや地域住民との対話を行うための訪問活動にもこの車両が使われます。

また、コレラのまん延や洪水などの緊急事態にも、いち早くこの車両がスタッフ、医薬品、救援物資を積んで、被災地に向かいます。

巡回診療は、地域の住民はもちろん診療チームにとっても、月に一度の貴重な日。遠くの家から歩いて、100人から200人もの人々が集まってきます。

巡回診療は、地域の住民はもちろん診療チームにとっても、月に一度の貴重な日。遠くの家から歩いて、100人から200人もの人びとが集まってきます。

日本赤十字社は、5歳未満の乳幼児の健康状態の改善を目的として、平成19年からケニア赤とともにガルバチューラ県での地域保健強化事業を実施しています。

なお、都民共済からいただいた寄付は、車両整備だけでなく、同県立病院手術室の医療資機材の整備や北東地域における救援物資用倉庫の建設、また、アジア太平洋地域の広域防災支援事業における給水・衛生キットの整備、ネパールのコミュニティー防災事業における耐震補強工事、インドネシアのコミュニティー防災事業における防災システム開発などにも活用される予定です。