広島で赤十字会議-核兵器廃絶に向けて行動計画案を策定

核兵器廃絶に向けて各国の赤十字・赤新月社は自国政府や市民、とくに若者に対する啓発活動に取り組もう――日本赤十字社など5カ国の赤十字社が共催する国際会議が5月15~17日、広島市で開かれ、向こう4年間の行動計画案を策定しました。

会議は、2011年の国際赤十字・赤新月運動代表者会議で採択された決議「核兵器廃絶に向けた歩み」の履行をめざして開かれたもので、世界24の赤十字・赤新月社、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)の代表らが参加しました。

2011年の決議は、核兵器をめぐる近年の世界情勢の変化などを背景に、「核兵器の使用は国際人道法の定める理念と両立しない」「もし核兵器が使用された場合、その結果に対応できる人道的援助能力が欠如している」との見解を世界に示しました。

今回の会議ではこの決議を受けて、各国の赤十字・赤新月社がホームページなどに国際赤十字としての立場を自国の言語で表明して関連資料を掲載することや、国内で啓発活動に取り組むことなどを内容とする行動計画案が策定されました。

今秋、シドニーの代表者会議で採択へ

計画案は核兵器の使用禁止を求める新たな決議案とともに、今年11月にオーストラリアのシドニーで開かれる国際赤十字・赤新月運動代表者会議に提出されます。各赤十字・赤新月社による審議を経て、採択される方向です。近衞忠煇連盟会長は開会挨拶で「核兵器を発明したのは人類。その廃絶が人類にとって不可能という考えは成り立ちません。人道の勝利を信じて力を合わせていきましょう」と訴えました。

参加者「今が問題解決のチャンス」

参加者は会議に先立って広島平和記念資料館を訪問。館内を見学するとともに、16歳の時に爆心地から2キロメートルの専門学校で被爆した松島圭次郎さん(84)の体験を聞きました。

「広島の人びとはアメリカを憎んではいませんが、核兵器は憎い。あの恐ろしい経験はもう二度とどんな国にもしてほしくはない」という松島さんの言葉に、フィジー赤十字社のフィリッペ・ナイノカさんは「怒りや復讐心を捨てて立ち上がる被爆者に、感銘を受けました」。

ノルウェー赤十字社のピーター・ハービーさんは「この訪問で核兵器廃絶に向けたモチベーションが高まりました。今が問題を解決するチャンス」と決意を語りました。