ハイチ大地震被災者支援:保健ボランティアを育成中

ボランティアは毎月活動報告を提出するので、読み書きができる人の中から選ばれています

ボランティアは毎月活動報告を提出するので、読み書きができる人の中から選ばれています

東日本大震災のおよそ1年前に発生したハイチ大地震。3年余りが経過した今も、日本赤十字社(以下、日赤)をはじめ、世界中の赤十字社が復興支援を続けています。

日本赤十字社が大地震の緊急救援活動を経て、2010年7月から携わっているのが保健/給水・衛生事業。

もともと衛生設備などが発達していないハイチの復興においては、住民のいのちと健康を守るための保健分野の支援が不可欠です。その活動の中心は、被災地の住民から選ばれたボランティアが担っています。

震源地に近いレオガン市では17地域の約3万人を対象に、地域住民参加型の保健事業(CBHFA:Community Based Health and First Aid)を実施しています。ハイチでは、ハリケーンシーズン(6~11月)にコレラやマラリアなどの感染が増えるほか、HIVなど性感染症の感染率も高くなっています。

こうした健康への課題に住民自らが気づき、自分たちの力で克服できるように、赤十字からボランティア、ボランティアから住民へと保健・衛生の知識を広げていくことを、CBHFAは目指しています。

完成したハザードマップを発表。災害や病気が起こりやすい時期を示すカレンダーも作成

完成したハザードマップを発表。災害や病気が起こりやすい時期を示すカレンダーも作成

CBHFAの中心を担うボランティアは、10~15世帯に1人の割合で、住民たちの話し合いによって選出されます。彼らはまず赤十字に関する基礎知識やボランティアの役割などを学び、自分たちの地域の調査を行います。

そして、地域の保健や衛生上のリスクを地図に描いたハザードマップを作成して、いかに疾病の危険にさらされているかを学びます。

さらに『家族計画』『安全な妊娠と出産』『感染症予防』『新生児ケア』『授乳』『性感染症、HIV/AIDS』などに関するトレーニングを3カ月ほど受講した後、地元でボランティアとしてデビューを果たします。これまで17地域のうち13地域で、450人のボランティアが育成されました。

トレーニングで事業説明を行う池田専任教師と真剣に聞くボランティア

トレーニングで事業説明を行う池田専任教師と真剣に聞くボランティア

一方で、実際の活動を進めるには少なからぬ障害もあります。

現地で事業に携わってきた大阪赤十字看護専門学校の池田載子(いけだのりこ)専任教師は、「ハイチでは、もともとボランティアという概念が定着していない上に、ハイチ赤十字社の活動が住民に知られていません。そのため、2~3カ月ごとに『賃金を払って欲しい』という要求が繰り返し持ち上がってきました」とその難しさを振り返ります。

もちろん、ボランティアにやる気がないということではありません。「トレーニングはまじめに受講し、質問もたくさんします」と池田専任教師。

おしゃべりが過ぎたり、ぼーっとしているボランティアには、講師の現地スタッフが机をカツカツとたたいて、注意を促したりと、時には厳しい指導を行う場面もあります。

また、保健衛生に関する住民の意識や行動は、長年にわたり築かれてきたもの。ボランティアが地域の中で改善を図ろうと努力しても、一度や二度の働きかけで簡単に変わるものではありません。

課題を克服するために地域住民と赤十字が共に取り組む保健活動には、地道で長期的な支援が必要となります。

日赤はレオガンでのCBHFAへの支援を2014年末まで継続していく予定です。

こちらのページで、ハイチでの取り組みを詳しくご紹介していますので、ご覧ください。

ハイチ大地震救援募金へのご協力をありがとうございました。引き続きご支援をどうぞよろしくお願いします。