東日本大震災から2年~海外救援金による復興支援事業~

東日本大震災から2年が経ちます。日本赤十字社(以下、日赤)にはこの間、世界100カ国の赤十字・赤新月社やクウェート政府などから、約997億円の海外救援金が寄せられました。この資金を活用して日赤は、生活再建、教育、医療・社会福祉、原子力災害の被災者支援、防災強化など、幅広い分野で復興支援事業を展開しています。今回は、その一部の進捗状況を報告します。

生活再建

ノルディックウォーキングの参加者とボランティア

ノルディックウォーキングの参加者とボランティア

避難を余儀なくされた被災者が仮設住宅などで生活を始めるにあたり、生活家電6点セットを13万3187世帯に寄贈。北海道から沖縄まで全国に避難された被災者の方々へお届けしました。本事業は今年の2月をもって終了しました。

福島県いわき市では浪江町から避難してきた被災者を日赤の看護師と看護大学の教員が戸別に訪問し、健康状態のチェックや相談に応える活動を続けています。

岩手・福島県では、仮設住宅に閉じこもりがちな高齢者を対象に、体を動かし、ストレスを軽減することを目的にポールを使って歩く「ノルディックウォーキング」のイベントを開催しています。これまで、延べ1068人が参加しました。

また、こころのケア活動の際には傾聴するだけでなく、赤十字ボランティアや職員が炊き出しや健康教室などを開催することで、他の住民との交流を通したコミュニティーづくりにも貢献しています。

教育

開会式で、元気よく子どもたちにあいさつするスタッフたち

開会式で、元気よく子どもたちにあいさつするスタッフたち

昨年の夏に北海道の留寿都村でサマーキャンプを開催し、岩手、宮城、福島の3県から3451人の子どもたちが参加しました。

大自然の中での乗馬体験やオリエンテーリングなどを通じて、思い切り遊ぶだけでなく、子どもたちがお互いに助け合う精神を学ぶ機会ともなりました。11回開催された3泊4日のキャンプを951人のボランティアやスタッフが支えました。

このほか、仮設体育館の建設、保育園・児童クラブ等の建設を支援しているほか、被災した16の学校を対象にスクールバスを運行し、子どもたちが安心して遊び、学ぶことのできる環境づくりを支援しています。

医療・社会福祉

完成した福島県相馬市の高齢者向け災害公営住宅

完成した福島県相馬市の高齢者向け災害公営住宅

日赤は発災直後から延べ896の救護班を現地へ派遣し、8万7445人の患者さんを診察しました。

その後は医療施設の復興を支援し、これまでに石巻市仮設夜間急患センターの整備、南三陸町の公立志津川病院の仮設診療所の設置、女川町地域医療センターの改修は終了しました。

今後も南三陸町の公立志津川病院の再建および総合ケアセンターの建設、岩手県の子どものこころのケアセンターの設置、石巻赤十字病院内の災害医療総合研修センターの建設など、支援を継続します。

社会福祉分野では、高齢者共同住宅の建設、介護ベッド・福祉車両の提供、気仙沼の社会福祉施設の再建など、多岐にわたる支援を実施しています。

原子力災害の被災者支援

すまいるぱーく(大型の移動式遊び場)で元気いっぱいに走る子ども

すまいるぱーくで、元気いっぱいに走る子ども

射線被害への不安から屋外で遊ぶことができず、避難先での生活のストレスなどを抱える子どもたちを支援するため、大型の移動式遊び場(すまいるぱーく)を各地で開いています。

平成24年12月末までに、子どもと保護者を含めて約4万800人の方々が来場しました。また、体内被曝検査用のホールボディーカウンターや甲状腺モニターを福島赤十字病院に設置し、被災者の不安の解消に努めています。

さらに、日赤は福島での経験をもとに、被災者支援の立場から、今後の原子力災害対策に役立つ情報を収集・整理し、国内外に発信していく予定です。

防災強化

将来の災害に備え岩手、宮城、福島県の自治体に発電機、簡易トイレ、パーテーションなどを備蓄する防災倉庫を設置し、地域の防災対策にも貢献していきます。

血圧測定をしながら、被災者の方の声に耳を傾ける、元看護師の赤十字ボランティア

海外から寄せられた約997億円のうち、クウェート政府からの原油無償提供による寄付約400億円は、三陸鉄道の車両整備や漁業支援などの被災3県が実施する復興事業に充てられています。

復興支援事業は3年目を迎えますが、日赤は被災者の方々のこころに寄り添い、支援を続けていきます。