中国大地震から4年~少数民族地区に日赤支援の学校が完成~

約8万7000人の命が失われた中国・四川省の大地震(2008年5月12日発生)から4年あまり。

この間、日本赤十字社(以下、日赤)は地震で崩壊した学校の再建などを支援してきました。

震源地のアバ・チベット族チャン族自治州(アバ州)でも、今年に入ってから黒水県に小学校、金川県には中学校が完成。これにより日赤が再建を支援した学校30校、病院41カ所は、四川省北部の一つの小学校を除き、すべて完成を迎えます。

山間部の5分校が全壊

黒水県と隣県との境の峠道
標高4743メートルの高山が見える

四川省アバ州は、世界自然遺産の九寨溝や黄龍など風光明媚な景勝地を抱える一方、3000~5000メートル級の切り立った山々が連なる険しい山岳地帯です。

山間部に点在する農地と集落 2009年6月撮影

2008年の大地震で倒壊した村の分校(2009年6月撮影)

同州黒水県の紅岩郷は、山間部に昔ながらの農業を営む集落が点在する地域。

地震前には6つの小学校(本校と5つの分校)がありました。

しかし、平らな石を積み重ねただけの伝統建築で造られていたため、2008年の大地震で壊滅。

子どもたちは休み時間で外にいたため無事でしたが、震災後は仮設のプレハブ教室での勉強を強いられてきました。

子どもたちが安心して学べる場所を

日赤の支援で再建された教室棟で学ぶ小学6年生
アバ州黒水県紅岩郷中心小学校

こうした中、日赤は子どもたちの安全を守ってほしいという地域の人びとの願いに応え、中国紅十字会(中国の赤十字)と協力し、2009年6月から黒水県と金川県で学校再建を開始しました。

地震の影響で地盤がもろくなった地域もあるアバ州。

雨季にはがけ崩れが発生し、道路の寸断により、建築資材が届かなくなることもありました。

再建された学校で遊ぶ子どもたち
アバ州黒水県紅岩郷中心小学校

それでも金川県安寧中学校が今春、黒水県紅岩郷中心小学校が9月に完成を迎えることができました。

黒水県の紅岩郷中心小学校は、5分校の子どもたちが一緒に学べる十分な広さを持った4階建て。

分校の子どもたちは新学期のスタートとともに本校に編入し、校舎からはこれまで以上ににぎやかで楽しげな声が響いています。

金川県の安寧中学校では、生物実験室、化学実験室、物理実験室、図書室などが入る総合学習棟が活用されています。

日赤の支援で完成した四川省アバ州金川県安寧中学校の総合学習棟

四川省の少数民族が暮らす山間部は、経済的に立ち遅れている地域が多いのが実情です。

日赤の支援は震災復興・地域振興に役立つのと同時に、現地との友好のかけ橋にもなっています。