東南アジア地域赤十字社幹部会議をミャンマーで開催~続く日赤の支援~

国際赤十字・赤新月社連盟 近衞忠煇

国際赤十字・赤新月社連盟
日赤社長 近衞忠煇

東南アジア地域赤十字社幹部会議が7月10~12日、ミャンマーの首都ネーピードーで初めて開催されました。

同会議には11カ国の赤十字・赤新月社、赤十字国際委員会(以下、ICRC)および国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)から計60人が参加。

主に、災害・保健衛生・福祉・組織基盤強化に関する東南アジア地域内の赤十字・赤新月社の協力や、東南アジア諸国出身者の移民問題などについて話し合われました。

連盟会長として開会の挨拶に臨んだ近衞忠煇日本赤十字社(以下、日赤)社長は、「東南アジア地域の各社が、災害救援にとどまらず、救援から復興支援、そしてコミュニティーの回復力の強化まで幅広い活動を展開していることを評価する。今後、連盟としては、東南アジア諸国連合(ASEAN)との協力的枠組みづくりなどを通じて連携し、災害救援や感染症への取組みなどに力を入れていきたい」と述べました。

今回の会議が開催されたミャンマーにおいて、日赤はミャンマー赤十字社(以下、ミャンマー赤)を通じて、長年にわたりさまざまな支援を続けてきました。そのいくつかの事業をご紹介します。

サイクロン・ナルギス復興支援事業

60校の学校再建も支援の一つ。
子どもたちは新校舎で元気に学びます © Masako Imaoka/ MRCS/ JRCS

2008年5月2日にミャンマーを直撃したサイクロン・ナルギスは、死者8万4500人、行方不明者5万3800人、被災者約240万人という、同国史上最悪の被害をもたらしました。

災害直後は、日赤からは4億5000万円相当の救援物資(毛布、ビニルシート、蚊帳、衛生・台所用品、水タンクなど)を空輸し、現地でも輸送の支援を行いました。

また、物資支援に併せて、3000万円の資金援助も行いました。

その後、ミャンマー赤は国際赤十字の支援のもと13の県・地区の被災者10万人を対象に住宅再建や生計再建、災害対応能力の強化、保健衛生、学校再建などの分野で3カ年の復興支援事業を実施。

日赤も、日本の皆さまから寄せられた14億2900万円の救援金をもとに支援を行いました。

ミャンマー赤のタ・フラ・シュエ社長は「報道などでご覧になっているとおり、ミャンマーは開かれた民主国家へと発展しつつあります。サイクロン・ナルギスで受けた痛みを乗り越え、ミャンマーの国民や各関連組織の指導者たちは、災害に備える重要性にも気づき、今後の課題も明確になりました。日本の皆さまからの多大なるご支援に心から感謝しています」と話しています。

救急法普及支援事業

心肺蘇生の方法を指導-熱心に耳を傾ける受講者たち

赤十字は自然災害などが発生した際の救援や復興支援に取り組む一方で、平時から、その国の人びとが、もしもの時に備えるための“力”を高めることも、非常に重要な支援と考えています。

社会基盤がぜい弱で、救急医療サービスが十分に整備されていないミャンマーでは、病気やけがの際、すぐに病院で治療を受けることが難しく、患者さんのいのちを守るためには、家族や地域の人びとが迅速に、適切な対応をすることが大切です。

ミャンマー赤には3万5000人のボランティアが所属。その8割以上がこの救急法の訓練を受けており、救急法のニーズは高まっています。

日赤は2008年から、ミャンマー赤の救急法普及事業に対して、指導者や事業管理者の人材育成に加えて、訓練用マネキンなどの資器材を整備するための支援を行い、事業のソフトとハードの両面から支援を行っています。

同事業を開始した翌年2009年には、現地で実施される指導者対象のトレーニングに、日本から救急法指導者を派遣し、ミャンマー赤の職員とボランティアに対して、心肺蘇生や止血の方法の指導などを行いました。

三角巾を用いた止血の方法を紹介

日赤から派遣された救急法指導者は、「ミャンマーの指導者は、職員もボランティアも、技術を学ぼうとする姿勢に非常に熱意が感じられます。日赤などからの技術支援等を引き続き実施することで、より高い技術としっかりとした救急法普及体制の構築を行ってほしいです」と話しました。

日赤は、今後も指導者の派遣なども含めた「目に見える支援」に力を入れていきます。

近年、政治的にも経済的にも、大きな変化を遂げつつあるミャンマー。こうした中にあって、赤十字は変わることなく、これまでも、また今後も、支援を必要とする人びとに寄り添い、地域に根差した活動を続けていきます。