北イラク・クルド地域における戦傷外科実地研修

イラク共和国の首都バグダッドから北北西へ約300キロメートル、クルド地域内の都市エルビルにある医療施設「Emergency Hospital of Emergency Management Centre」(以下、EMC)は、戦傷外科を中心として銃や爆発による外傷を負った患者の治療を行っています。

日本赤十字社は、国内の赤十字病院から医師や看護師といった医療スタッフをEMCへ派遣。

現在日本では経験する機会が少ない戦傷外科を現場で経験し、海外の医療事情を理解することにより、将来紛争地名などで国際的に活躍できる人材の育成を行っています。

クルド地域

エルビルの街

イラク北部のエルビル、スレイマニア、ドホークの3県からなる地域をクルド地域といい、クルド人による自治区となっています。

クルド人はイラク北部だけではなく、周辺のトルコやイラン、シリアなどの広い地域に存在し、国家を持たない世界最大の民族といわれています。

イラクと聞くとニュースでしばしば耳にする爆弾テロなどの危険なイメージが先行しがちですが、このエルビルでは現在建設ラッシュで街は発展する一方。

道路には新しくきれいな車両のタクシーが絶え間なく行き交っているほか、大型ショッピングモールもいくつかあり、日本と同じようにさまざまなものを買うことができます。

また、郊外には立派な国際空港があり、ヨーロッパからも大手航空会社による定期便が運航され、外国企業の進出が活発であるということがうかがえます。

このように首都バグダッドと比較すると治安が良く、一般的にイメージされているイラクとはまったく異なるのだと気づかされます。

今後に向けて

EMC Emergency Hospitalの中庭

イラク戦争は終わりましたが今もなお、銃や爆発で負傷した患者がEMCに運び込まれ、治療や看護が日夜行われています。

これまでに8人の医療スタッフがEMCで研修を受け、その経験をもとに他の事業で活躍しています。

本研修は2013(平成25)年まで継続し、今年も6人が本研修に参加する予定です。