昭憲皇太后基金~100周年を迎える国際協力基金~

昭憲皇太后

「昭憲皇太后基金」は、明治天皇のお后であられた昭憲皇太后が、赤十字の平時の活動を奨励するために創設された、歴史ある国際協力基金です。

赤十字が戦時の救護活動を中心としていた時代、災害救護や開発協力などを目的とする基金の創設はきわめて画期的であり、世界的にも先進的な取り組みでした。

昭憲皇太后(当時は美子(はるこ)皇后)は、そのご生涯にわたって、学校や病院の創設などに力を注がれ、その中でも赤十字の人道的な活動には特にご関心を示されました。

1888(明治21)年、会津磐梯山が噴火した際には、皇太后自ら、日本赤十字社(以下、日赤)から医師などを派遣するようお命じになり、これが、日赤の災害救護活動の草分けとなりました。

1912(明治45)年、米国ワシントンで第9回赤十字国際会議が開催された際、皇太后は国際赤十字に10万円(現在の3億5000万円相当)を寄付されました。この基金は、そのお名前を冠して「昭憲皇太后基金」と名付けられました。

以来、皇太后のご命日にあたる毎年4月11日には、基金の利子を、国際赤十字の中に設けられた合同委員会から各国の赤十字社に配分。世界中の災害や感染症などに苦しむ人びとへの支援や福祉の増進、防災、病気の予防などの活動に充てられてきました。

これまでに配分を受けた国は158の国と地域に上り、日本の皇室の率先的な人道行為に、世界各地から深い敬意と謝意が寄せられています。

基金は、原資を取り崩すことなく、現在も皇室をはじめとする日本からの寄付金によって成り立っています。2012(平成24)年に創設100周年を迎えるにあたり、天皇皇后両陛下からはご下賜金を賜り、明治神宮と明治神宮崇敬会からも1000万円が寄付されました。日赤も毎年、個人・団体から受けたご寄託から500万円を拠出しています。

昨年12月31日時点での基金の総額は、約8億7980万円(10,016,382スイスフラン)。

1921(大正10)年の第1回配分から今回までの同基金による配分額は、合計で約11億240万円(12,456,186スイスフラン)になります。

カーボヴェルデ赤十字社、2008年支援

基金で購入された車が、福祉サービスに活躍しています。

2012年の配分先が決定~約890万円を5カ国での支援活動へ

2012(平成24)年4月11日、昭憲皇太后基金管理合同委員会は、今年度の基金の配分先を以下の5カ国での活動に決定しました。その総額は約890万円(100,076スイスフラン)になります。

1.アゼルバイジャン赤新月社:約2,213,000円(25,000スイスフラン)

ぜい弱な家庭の子どもたちの継続的な教育機会の創出

アゼルバイジャンには、学校へのアクセスが困難で初等教育を終えずに中途で退学する子どもたちが大勢います。この子どもたちが継続的に教育を受けられるよう、両親に教育の大切さを啓発し、地元当局とも協力して、教育を支援します。

2.メキシコ赤十字社:約987,000円(11,147スイスフラン)

気候変動によりもたらされる病気の予防

メキシコ赤十字社は、学校や地域において、気候変動の影響によりもたらされる心配がある病気や疾病(心臓血管や呼吸、胃腸や皮膚の病気など)の発生とまん延を予防する事業を行います。

3.セネガル赤十字社:約2,197,000円(24,821スイスフラン)

女性の生活水準の向上

セネガル赤十字社は、女性のための訓練センターを建設し、調理や小規模投資(マイクロファイナンス)事業、いざという時に命を救う救急法などの技術を教えます。また、性感染症に関する研修コースも開設し、地域で普及するための指導者を養成します。

4.トリニダード・トバゴ赤十字社:約1,691,000円(19,108スイスフラン)

ビデオ会議システムの装備

島と島を結ぶ情報伝達手段が限られていたトリニダード・トバゴ赤十字社には、ビデオ会議システムを導入し、災害時の迅速かつ十分な救援活動を可能にします。

5.チュニジア赤新月社:約1,770,000円(20,000スイスフラン)

大学における献血実施のパイロット事業

若年層への啓発活動を行い、チュニジア赤新月社の血液事業の体制を強化することで、新たな献血者を増やす取組みを行います。

昭憲皇太后と赤十字展 ~日本のまごころを世界の人びとに~

現在、基金創設100周年を記念し、「昭憲皇太后と赤十字展」を開催しています。昭憲皇太后のお人柄や赤十字の活動へのご支援について、また、赤十字の国内外の活動を映像や資料を通じてご紹介しています。お誘いあわせの上、ぜひ足をお運びください。

「昭憲皇太后と赤十字展」

会 期: 2012(平成24)年5月28日(月)まで
(午前9時から午後4時半まで)
場 所: 明治神宮文化館 宝物展示室
(JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅から徒歩8分)
主 催: 日本赤十字社、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟
協 力: 明治神宮
観覧料: 無料