東日本大震災から1年~海外救援金を生かして復興支援事業~

東日本大震災から1年~海外救援金を生かして復興支援事業~

昨年3月11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者約1万9000人という未曽有の被害をもたらしました。マグニチュード9.0の巨大地震と大津波、さらに続いた原子力発電所事故は、人びとの平穏な日々の暮らしを一瞬にして奪ってしまいました。

日本赤十字社(以下、日赤)には震災以降、世界95の赤十字・赤新月社とクウェート政府、欧州委員会などから963億円(3月1日時点)もの海外救援金が寄せられました。

5月と10月に開催した支援国赤十字社会議では、多数の海外の赤十字関係者が被災地を訪れ、「日本の皆さんの我慢強さ、頑張りに感銘を受けました」「災害への備えが進んでいる日本でこのような被害が出て、自国民も胸を痛めています」といった応援のメッセージをもらいました。

この資金を財源として、日赤は被災者のためにさまざまな復興支援事業に取り組んでいます。

決意新たに被災者支援を強化

被災者に支援された生活家電6点セット

仮設住宅への支援

仮設住宅へ住む方がたに生活家電6点セット(冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、テレビ、電気ポット)の寄贈をはじめ、暑さ・寒さ対策、コミュニティーバスの運行など、さまざまなニーズに応える支援を行っています。

子どもたちへの支援

学校の保健室への備品整備やスクールバスの運行を支援。また、被災地の子どもたちに笑顔と健康を届けるため、『日赤キッズクロスプロジェクト』としてのさまざまなイベントも開催しています。

医療支援

地域医療の再建を目的とし、仮設石巻市夜間急患センター、公立南三陸仮設診療所、女川町地域医療センター、気仙沼市立本吉病院などの改修や再建を支援しています。

高齢者支援

高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチンの予防接種の費用を助成しています。さらに、社会福祉の復興のため、高齢者施設への介護用ベッド寄贈、グループホームの環境設備、福祉車両の提供など、被災地に住む高齢者や障害者の方々の支援にも取り組んでいます。

ストレス軽減へ「こころのケア活動」

こころのケアでの触れ合い

不慣れな仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者の方がたの心の傷や心的ストレスは、想像以上のものがあります。

日赤はこうした状況を少しでも改善するため、物的な支援とともに『こころのケア活動』を実施してきました。

『地域のコミュニケーションづくり』を目指してお茶会や炊き出しなどを行い、健康管理のために血圧測定なども実施。赤十字奉仕団による『にこにこ健康教室』も福島県で開催されています。

こうした行事には訓練を受けた日赤職員やボランティアが参加しています。

原子力発電所事故の被災者支援

深刻な原子力発電所事故に見舞われた福島県では、多くの住民が避難を余儀なくされ、不安な生活を送っています。

日赤は体内被ばく検査用のホールボディーカウンターと甲状腺モニターを福島赤十字病院に、検査機器などを福島県立医大に整備。また、県が実施する健康管理調査への協力・支援を行います。

さらに、食品放射能測定器を福島市に77台、二本松市に23台、川内村に6台整備します。

放射線による子どもの健康不安を訴える保護者の声を受け、屋内プレイランド『すまいるぱーくin Fukushima』を開催。除染後も外で遊ぶ時間に制限がある子どもたちのストレス軽減にも貢献しています。

さらに、国際赤十字とともに原子力災害発生時の対応ガイドラインの策定に向けて、今年5月に東京で国際会議を開催します。

国境を超え、台湾児童が歌でエール

笑顔いっぱいの泰武(タイウー)小学校の児童

台湾南部に住む先住民族の泰武(タイウー)小学校の児童17人が2月下旬、被災地の小学校や仮設の高齢者デイケアサービスを訪れ、伝統衣装を身にまとい、古くから伝わる民謡や踊りを披露しました。

泰武村は2009年、台風で村全体が壊滅的な被害を受け、避難生活と村の移転を余儀なくされました。

自分たちが受けた支援の『恩返し』として、同じような境遇に置かれた被災地の児童を激励しようと来日。

感動的なパフォーマンスの最後で、打ち解けた両国の児童は、手を取り合って歌を熱唱しました。被災地の児童からは「美しい民謡や踊りを見て、元気をもらいました」との声が寄せられました。