中国青海省地震 日赤支援の学校と病院、完成迫る

中国西部の青海省玉樹チベット族自治州一帯を2010年4月14日に襲った地震は、2968人の死者・行方不明者を出しました。

日本赤十字社(以下、日赤)は震災直後から中国紅十字会(中国の赤十字組織)と連携して、被災者への支援物資の配付、地震で全壊した小学校1校と病院2施設の再建などを行っています。

標高4000メートル超える厳しい環境での再建作業

再建中の仲達郷中心小学校

青海省地震の被災地は、『世界の屋根』とも呼ばれる平均標高4000メートルの山岳地帯。

再建工事に必要な鉄筋などの資材の多くは、800キロメートル以上離れた同省・省都の西寧市から標高5000メートル近い峠を越えて運び込まれます。

険しい山道はもとより、被災地に入ると舗装されていない道路が多く、建設資材の運搬だけでも一苦労です。

学校の再建を心待ちにする子どもたち

建設工事自体も平地とは比べものにならない厳しさです。日赤が支援する学校・病院の中には、富士山頂より高い標高4300メートル以上の高地に建てられるものもあります。

空気が薄く、夏でも朝は氷点下の寒さです。そのような中、作業員はテントで寝起きしながら工事を行います。

高山病予防のため、昨年4月の着工から作業はゆっくりとしたペースで進められてきましたが、完成まであと一歩の施設も出てきました。

雪で閉ざされる10月から4月まで工事は中断。春の訪れを待って再開し、2012年9月までの完成を目指します。

越冬物資に感謝の声。「日本が大変なときにありがとう」

支援物資の配付式には多くの人が殺到
(写真提供:中国紅十字会青海省支部)

被災地の中でも、黄河源流地域に位置する玉樹州曲麻莱県は、平均標高約4500メートルの超高地エリア。

その自然環境の厳しさから、昔は「曲麻莱県に行くことはできるけれど、そこから帰ってくることはできない」とまでいわれた秘境です。

その曲麻莱県と隣接する称多県の被災者に対し、日赤はこのほど、中国紅十字会と協力して越冬支援物資を配付しました。

日本での青海省地震への募金活動の写真も公開されました

防寒用の綿布団や衣類に加え、住民の多くが遊牧民で慢性的に生活物資が不足していることから、チベット族の生活に欠かせないバター茶用の茶葉も一緒に配付しました。

支援物資を受け取った人びとは、「この服を着て温かいお茶を飲み、布団に入れば、寒い冬でも大丈夫だね」と笑顔で話していました。

青海省玉樹州称多県で。支援物資を受け取り満面の笑顔

地元の赤十字関係者は、「震災1年目の冬には多くの支援物資が届きしまたが、2年目の冬を迎えて、もう忘れられたかと思っていました。2011年に東日本大震災で一番大変な思いをした日本の人びとが、私たちのことを今でも忘れず支援してくれるなんて…」と感謝の気持ちを表します。

その上で、「私たちはとても貧しいので日本の被災者のために何もできないけれど、被災地の人びとが早く元の生活を取り戻せるように祈っています」とメッセージを寄せてくれました。

青海省地震から2回目の冬に届いた温かい支援は、チベット族と日本の人びとの間に確かなきずなを生んだようです。