ハイチ大地震から2年 震災を機に、よりよい地域づくりを目指して

ハイチ共和国を2010年1月12日、マグニチュード7.0の大地震が襲ってから2年が経過しましたが、未だに55万人がテントや避難キャンプでの生活を余儀なくされています。

この地震は、首都ポルトープランスや周辺地域を直撃し、死者23万人、負傷者31万人、被災者は総人口の約3分の1にあたる300万人と言われています。

ポルトープランス市内に点在する避難キャンプ

人々は家を失い、水道などのライフラインも壊滅的な被害を受け、首都の4分の3の再建が必要とされました。

現在は、がれきはほぼ撤去されたものの、人びとは崩れかけた建物と共存し生計を立てている状況です。

さらに、2010年10月から全国にまん延したコレラによって、これまでに約47万人が感染し、約6,500人が亡くなっています。

日本赤十字社(以下、日赤)は、皆さまからお寄せいただいた救援金をもとに、地震の被災者救援とコレラ対応のため医師や看護師を派遣し、医療サービスを提供しました。また、避難キャンプへ出向き、感染症の予防を中心とした衛生知識の普及や予防接種を行いました。

赤十字によって建設された共同トイレを備えた住宅

西半球の中で最貧国と言われ、大地震で甚大な被害を受けたハイチ。

赤十字が行った調査では、母子保健や感染症予防等の保健と安全な水の供給が必要であることが明らかになりました。

この結果をもとに、日赤は2010年7月から復興支援の一環として、レオガン市で保健・給水/衛生事業を実施しています。

給水所やトイレの建設と、保健・衛生の知識を得る研修や地域活動を通じて、人びとの健康状態の改善を目指しています。

きれいな水がすぐそこに…

地域住民が安全な水を求め絶え間なく訪れる給水所)

日本では蛇口を捻れば安全に飲める水が出てくるのが当たり前ですが、ハイチでは大人も子どもも水くみが日々の日課となっています。

川を排せつや料理など多目的に利用するため、下痢など健康への被害も少なくありません。

赤十字が行う給水活動では、まず住民が水と衛生・健康について学び、水を媒介とした疾病の予防活動に取り組みます。

そして、給水所の設置場所を協議し、主体的に建設や修復作業に参加してもらいます。また、水委員会を結成し、自分達で給水所を維持管理できるようにしていきます。

給水所は利用者のニーズに合わせて、バケツを頭に載せやすい高さに設置され、何より身近で衛生的な水が手に入るようになりました。住民たちは、たくさんのバケツを抱えて水くみにやって来ます。

子どもたちも元気に楽しく衛生教育

手洗い、トイレの使い方、ゴミの処理について学びます

ハイチの小学校は簡素な作りです。トイレもないことが多く、子どもたちは用を足しに野原へ…。

そこで、赤十字はそのような学校を対象に、トイレの設置と衛生教育を実施しています。

今回の衛生教育は、手洗いについて。どんな時に手を洗うかとの問いに子どもたちは、「トイレの後!ご飯(お菓子)を食べる前!」と活発に発言してくれます。

そして、きちんと3分以上かけて手を洗うことを意識付けるために皆で歌を歌い、手を洗う練習をします。「大きな声で歌う子どもたちは本当にかわいい」と日赤が派遣している衛生教育担当の藤田容子看護師も見守ります。

ボランティアが地域で動き出した!

模型を使ってコンドームの装着方法を教えるボランティア

地域では健康に関する課題が山積みです。赤十字の保健研修を終えた参加者がボランティアとなって家庭訪問や会合を行い、健康に関する情報の提供や傷病者を病院へ照会する活動を始めました。

ボランティアは住民の保健衛生上の質問に応じて保健教材を使い、自信を持って情報を伝授します。

ある日の訪問では、コンドームを使った家族計画と性感染症の予防についての新しい情報に住民たちは興味津々。

このような活動が地域の力で継続できるように、日々事業に取り組んでいます。