赤十字国際会議の開催~レポート2 『3分のチカラ』~

一連の赤十字国際会議について、もう少し詳しく報告します。

赤十字国際会議の開催~レポート1~」で9つの決議案が採択されたとお伝えしましたが、ここでは決議が採択されるまでの経緯を紹介します。

会議中、ある議題について話し合うときに、参加者はそれぞれ3分間だけ発言する権利が与えられます。その発言を踏まえて、最終的に決議が採択されます。レポート2では、日本赤十字社(以下、日赤)からの発言にクローズアップします。

日本赤十字社の発言

今回の3つの会議で日赤は、「原子力災害への対応」「国際災害対応法(IDRL)と減災」「核兵器にかかる取り組み」の各決議に対して発言しました。

「原子力災害への対応」では以下の3点を表明し、関連会議を今年日本で開催することを提案しました。

1. ノウハウや情報の共有化

2. ガイドラインの作成

3. 他の専門機関との協議と赤十字の役割の明確化

また「国際災害対応法(IDRL)と減災」に関しては、大規模災害時の国際支援の受け入れと調整について、政府と赤十字との間で事前の話し合いが必要であり、原子力災害についてもIDRLの一環として議論する必要があると発言しました。

これを受けて「原子力災害への対応」を含む決議が採択されました。

国際法上「核兵器」の使用について受け入れ難いことから、赤十字として核兵器の使用禁止を強く訴える決議が採択されました。

会議では、日赤長崎原爆病院の朝長万左男(ともながまさお)院長により、被爆者の長期にわたる健康被害の現実についてプレゼンテーションが行われ、日赤は唯一の被爆国の赤十字社として、また決議の共同提案社として発言しました。

※IDRL:International Disaster Response Law

東日本大震災についての報告

昨年3月11日に発生した東日本大震災後に開催された赤十字国際会議では、日赤が被災者に対して行っているこころのケアについて、日赤医療センターの槙島敏治国際医療救援部長がワークショップで報告しました。

また、別のワークショップでは、東日本大震災での国際赤十字による災害対応について、連盟が実施した評価報告も行われるなど、東日本大震災に対する注目が多く集まる会議となりました。

日赤も活動を報告するとともに、改めて各社に感謝の意を伝えました。

日本赤十字社の誓約

誓約とは、2011~2015年の4年間に各国赤十字社や各国政府が取り組む活動を明文化し、その履行を世界に向け誓うものです。

日赤は、日本政府との共同誓約1件、単独での誓約10件を提出しました。誓約内容は以下のとおりです。

  1. 国際支援の円滑な受入れと調整のための枠組みの構築(政府との共同誓約)
  2. EHL(人道法の探究)の普及促進
  3. 日本赤十字国際人道研究センターを拠点とした人材育成
  4. 核兵器の使用禁止にかかる決議の普及
  5. 国際災害対応法(IDRL)への取り組み
  6. 大規模災害への対応能力の強化
  7. 原子力災害への対応
  8. 母子保健にかかる開発協力の推進
  9. 赤十字活動の普及促進
  10. 国との協力・連携による献血推進
  11. 非暴力および平和な文化の促進

各国赤十字社は、誓約の履行状況について2年後と4年後にそれぞれ進捗報告することになっています。

日赤はこの誓約を達成すべく今後4年間、まん進していきます。