赤十字国際会議の開催~レポート1~

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国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)総会が11月23~25日、代表者会議が26日、赤十字国際会議が11月28日~12月1日、スイスのジュネーブで開催されました。

赤十字国際会議は4年に一度開催され、世界中の赤十字関係者とジュネーブ条約締約国政府の代表が参加し、今後の国際社会が取り組むべき人道問題について話し合い、赤十字の方針を決定します。

今回で31回目の同会議には、183の国と地域の赤十字社・赤新月社、赤十字国際委員会(以下、ICRC)、連盟、164カ国の政府、59のオブザーバー機関から1739人が参加し、今後4年間の人道的課題への取り組みについて決意を新たにしました。

“Our World. Your move.”は、国際赤十字が2009年から展開している人道キャンペーンであり、今回の会議でも赤十字が一丸となって取り組んでいくことが再確認されました。

一連の赤十字会議について、今後もお伝えしていきます。

4つの課題とその課題に取り組むための9つの決議

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今回の赤十字国際会議が掲げた課題は、「国際人道法の強化」、「国際災害対応法(IDRL)の強化」、「地域での人道的活動の強化」、「保健医療の強化」の4つです。

1.国際人道法の強化

武力紛争の犠牲者の中でも、拘留者など自由を奪われた人の保護と国際人道法の遵守が優先課題であると各国およびICRCは認識しています。

2.国際災害対応法の強化

大規模な災害が発生した時の、国際援助の受け入れと調整は、今日ますます大きな問題となっています。連盟は問題解決のための指針として『国際的な災害救援および初期復興支援にかかる国内の準備と規則のためのガイドライン』(IDRLガイドライン)を定め、関係国に国内法の整備や規制の撤廃を働きかけてきました。これからも、その普及と実施を強化していきます。

3.地域での人道的活動の強化

政府のよきパートナーとして、非暴力と平和な文化を構築し、移民など弱い立場にある人びとに対する人道的援助を実施する上で、ボランティアの果たす役割は大変大きいものです。しかし、ボランティアはいまだに安全保障など重大な問題に直面しています。ボランティアがその力を最大限発揮できるよう、政治的、また法的に環境を整える必要があります。

4.保健医療の強化

紛争やその他の暴力下またへき地では、女性や子どもの保健医療へのアクセスが著しく困難で、人びとの健康が阻害されています。医療従事者や設備が保護され、医療活動が尊重されることにより、特に立場の弱い女性、子ども、障がい者が平等に医療を受けられることが肝要です。

そして、4つの課題に関する議論の結果、9つの決議が採択されました。

  1. 武力紛争犠牲者の法的保護の強化
  2. 国際人道法の履行にかかる4カ年行動計画
  3. 移民/尊厳・多様性の尊重、社会参加の確保
  4. 政府の補助機関としての各国赤十字社の強化/ボランティア活動の促進
  5. 紛争およびその他暴力下における医療活動の尊重と保護
  6. 保健医療へのアクセスの格差/女性・児童の負担軽減
  7. 国際災害対応法(防災・災害対応・復旧に関する規制障壁への取り組みと規範的枠組みの強化)
  8. パレスチナ赤新月社およびイスラエル・ダビデの赤盾社間の2005年11月28日付け活動調整にかかる合意書の履行に関する覚書
  9. 今後の行動「わたしたちの世界、あなたの行動~人道のために~」(”Our World, Your Move ? for Humanity)

東日本大震災についての展示

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3月11日に発生した東日本大震災では、世界中の赤十字社・赤新月社を通じて、多額の救援金が日本赤十字社(以下、日赤)に寄せられました。

震災後初の開催となる今回の会議で展示ブースを設け、震災の被災地で復興に向けて歩む人びとと、それを支える赤十字ボランティアや日赤職員の写真を通して、被災地の『いま』を伝えることができました。

ロシア赤十字社の職員は「被害のすさまじさに改めて心を痛めています。一般の記録誌にも赤十字の活動が掲載されており、同じ赤十字の仲間として日赤の活躍を誇りに思います」と話しました。(写真左)

連盟職員はポスターを見ながら、「この後姿の職員は無線で交信しているように見えるけれど、涙を拭っているのですね…。それに気づいたとき涙があふれてきました」と目に涙を浮かべて語りました。

今回の会議の中で、赤十字関係者が東日本大震災について改めて思いを巡らす機会になりました。