ウガンダ母子保健事業 ~住民の意識がChange!~

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中間評価での家庭訪問調査

日本赤十字社は、ウガンダ赤十字社が同国北部アチョリ地域で実施する母子保健事業を財政面と母子保健専門家の短期派遣により支援しています。本事業は2010年から2012年までの3年計画で、事業を開始して1年半が経ちました。ウガンダ赤十字社は、今年8月に今まで実施してきた活動の効果を確認するための中間評価を行いました。日赤は、この評価を支援するため、葛飾赤十字産院の平井香名助産師を専門家として派遣しました。

■ 事業の目的

ウガンダ北部では、約7割の妊婦が伝統産婆や家族の介助のもと自宅で出産するため、分娩中に異常が発生した場合に対応できず、妊婦が亡くなるケースがみられます。こうした状況を改善するために、妊産婦をケアするボランティアを育成し、母性保護の知識を住民に普及させる活動や保健センターでの妊婦検診と出産を促すとともに、出産時に必要な物品を詰めたバッグ(通称:ママバッグ)を妊婦に配付する活動などを実施しています。

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ボランティアたちから事業についての聞き取りを行う平井助産師

■ 夫が妻をサポートするなんて!?

中間評価は、家庭訪問によるアンケート調査、活動についての理解や関心の度合いを確認するための住民を集めたグループディスカッション、ボランティアや保健センター職員への聞き取り調査により実施しました。

ウガンダ北部では男性が妻の出産時に保健センターまで付き添ったり、妻の介助をするという考えが無く、女性も夫のサポートがないのは普通のことと捉える傾向にありましたが、活動を通じて住民の意識に変化が現れていることが分かりました。たとえば、男性を集めてのグループディスカッションでは、「妊娠・出産時の女性に対する男性のサポートについてどう思うか」との質問に対して、これまでと同様に「サポートする必要はない」とはっきりと答える男性がいる一方で、「今まではサポートをした方が良いと考えていなかったが、これからは、妻が出産するときは保健センターに付き添ってあげたい」と妊婦を思いやるようになった男性も見受けられ、本事業で目指している男性の妊婦に対するサポートの重要性が徐々に理解され始めています。また、女性たちのグループディスカッションでは、「夫は出産時に必要な物を揃えてくれない」という訴えや「出産の際に男性が保健センターまで付き添うことを考えたこともなかったが、今後はできれば付き添って欲しい」との意見が出され、活動継続の必要性を再確認することができました。

保健センターの職員は、「ウガンダ赤十字社の活動が開始されてからは、妊婦検診を受けに来る人が増え、センターで出産をする人も増えています」と説明します。事実、保健センターで妊婦検診を受けた人数は3割増加しました。このように、母性保護の必要性を伝える活動が、少しずつウガンダ北部の人たちに受入れられ、意識の変化につながり、そして行動に結びついてきています。

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女性たちのグループディスカッション

■ 今後の課題

これまでの活動が実り始め、一部の住民の意識が変わってきた一方で、保健センターでの妊婦検診と出産に関心を持たない人がまだ多くいるのも事実です。また、自宅から最寄りの保健センターまで80キロ離れているために検診と出産時に保健センターへ行くのが困難な人がいること、事業の成果として妊婦検診と出産のために保健センターを訪れる人が増えたものの、保健センターの職員数が少なく対応しきれないという新たな課題も見えてきました。

今回実施した中間評価の結果をもとに、本事業によるプラスの効果と事業が進められる中で新たに発生する課題について、ウガンダ赤十字社と協議を行ないつつ、ウガンダ赤十字社の母子保健事業をサポートしていきます。