フィリピン台風復興支援事業:2年連続の災害からの復興

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フィリピンは日本と同様に台風の通り道にあたり、毎年のように被害に苛まれています。

2年前の2009年9月から10月の間には、ケッツアーナ、パルマ、ミリネアという3つの台風がフィリピンに上陸。約1000人の死者・行方不明者を出し、30万棟の家屋が被災する惨事になりました。

そして翌2010年10月にも再び勢力の強い台風メギが上陸し、2年続けてルソン島北部が被害に遭いました。

これら被災地で赤十字はいち早く救援活動を行い、復興支援活動を実施してきました。そして、最初の台風災害から2年、ようやく人びとの生活が立ち直りつつあります。

2年間の軌跡

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家の柱や梁は強風に耐える設計になっています ©IFRC

フィリピン赤十字社(以下、フィリピン赤)と国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)は、2009年、2010年と2年連続で台風被災者に対し復興支援を実施しています。

被害規模や支援額、活動規模は2009年の方が大きく、実施期間も2年と長いものでした。

しかし、2010年の災害はフィリピン政府が国際社会に支援要請を行わず支援を行う団体数が限られたため、その中での赤十字の活動は、被災者にとってより貴重なものとなりました。

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安心して遊ぶ子どもたち ©IFRC

復興事業の柱は住まいを失った被災者への住宅支援です。

家屋を補修する資機材を提供する際に、再び被災者とならないよう工夫を凝らし、安全な建設予定地を確保し、基準に合った資機材を購入し、さらに強風に耐える設計を採用した住宅建設の技術を地元の大工さんを通じて伝えています。

2009年の台風・ケッツアーナ復興事業では、半壊住宅5100世帯、全壊住宅3000世帯に対する資機材配付がほぼ終了、残り1,000世帯に対しても11月までに配付されます。

全壊住宅再建ではトイレを併設し、住人の衛生環境にも配慮しています。さらに、小規模ビジネスを開業するための生活再建支援も2000世帯に行われ、安定した収入の確保に貢献しました。

一方、7月に事業が終了した2010年台風・メギ復興事業では、1万世帯分の補修資機材の提供を行いました。

困難に立ち向かう

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生計支援を受けて活気を取り戻したかつての被災者 ©IFRC

赤十字が歩んできたこの2年間は、決して平坦な道ではありませんでした。安全な土地を確保するため、政府や地主との交渉は根気を要し、事業途中で代替地に変更となる地域もありました。

また、2011年2月にフィリピン政府は木材伐採の禁止令を発したため、住宅の補修に欠かせない木材の調達が困難になりました。予定の事業期間内にどう成果を出せるか、ぎりぎりの選択を行うこととなり、資機材提供から現金給付へと方法を切り替え、住民それぞれに必要な資機材を調達してもらいました。

しかしそれは、基準に合った資機材を提供するという目的の一部が達成できないことともなりました。2009年11月から2011年8月までの約2年間、住宅支援を担当した松永一は「木材調達に頭を悩ましていた時期が、任期中最も苦しい時期だった」と振り返ります。それでも任務を全うする原動力となったのは、フィリピン赤十字社のスタッフ、連盟の同僚たちの支え、そして何よりも復興への希望を持ち続ける被災者たちの熱い思いでした。