フィリピン:カギを握るのは赤十字の地域保健ボランティア

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日本赤十字社はフィリピン赤十字社(以下、フィリピン赤)と協力し、2005年からフィリピン共和国キリノ州で保健医療支援事業を実施してきました。

2011年4月からは、キリノ州の隣にあるオーロラ州でも事業を開始しています。

これまでの6年間、住民の生活環境と保健医療サービスの改善に取り組んできたキリノ州では、2014年に事業を終了する予定であり、これまでの取り組みが住民の生活にさらに根づいていくことが求められています。

キリノ州に派遣している野末由希駐在員が報告します。

地域住民からの喜びの声

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事業で建設した給水設備を確認する野末駐在員(写真中央)

本事業では、村の保健所や住民自身が建設するトイレ、貯水タンクとポンプ式井戸の建設を支援し、以前と比較して住民の衛生環境が改善されています。

これらの給水設備を利用する人びとからは、「以前のように時間をかけて何度も水をくみに行かなくても済むようになりました。水源まで何往復もしなければならなかったからね」「きれいな水が使えるようになって、うれしい」という声が聞かれました。給水設備の維持管理も村ごとに行っています。

カギを握るのは地域保健ボランティア

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雨の中、村へと繰り出す地域保健ボランティア

本事業において重要な役割を担っているのは、地域保健ボランティアです。

地域保健ボランティアとは、事業対象地である9つの村それぞれで8~9人選ばれているボランティアです。本事業でトレーニングを受けて活動しています。

彼らは赤十字基本7原則や赤十字の歴史、活動について学ぶことはもちろん、地域での保健医療サービスの提供に必要な血圧測定の方法や救急法、助産師の介助方法、住民への健康教育の普及に必要な知識と技術を身に付けています。

またボランティアたちは事業対象となっている9つの村で、患者数の多い急性呼吸器疾患や尿路感染症、高血圧などの原因や症状、予防方法をパンフレットやボードなどの視覚教材を用いて住民に普及しています。

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地域保健ボランティアの手洗い技術を確認する野末駐在員(写真左)

2011年7月には、年1回の地域保健ボランティアのスキルチェックが行われました。

スキルチェックでは、これまでのトレーニングで学んだ技術の復習として、地域保健ボランティアが互いに血圧測定や体温・呼吸の測定を行い、患者役となった人の体調を診断しました。

また、正しい手洗い方法や住民への健康教育を実演し、それらの技術についてもチェックを受けました。

この年1回のスキルチェックによって地域保健ボランティアは、これまで学んだことを復習し、さらに技術や知識に磨きをかけています。

ここでは医師が駐在する医療施設まで行くのに何時間もかかる村もあるため、地域保健ボランティアの役割がとても大きく、彼らの活動によって多くの住民の健康が守られています。熱心に活動しているある地域保健ボランティアは「この活動は楽しく、とてもやりがいを感じています」と笑顔で答えてくれました。

今後もこのキリノ州の住民の生活環境を改善するためには、地域保健ボランティアを通じて、住民が健康向上に対する意識を高め、健康や衛生的な生活環境に気を配った行動が習慣となることが重要です。これからも地域保健ボランティアが自主的に活動を継続していけるよう、フィリピン赤の職員とともに活動を支援していきます。