チリ大地震復興支援:ボートやエンジンの提供がおおむね完了

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秋元陽子駐在員(左)と漁村の皆さん ©ChRC

昨年2月に発生したチリ大地震では、家屋や道路、橋といったインフラへの被害がチリ全土に及びました。

また沿岸部では津波によって漁業用ボートが流され、漁業を営む多くの地域住民が漁具を失いました。

日本赤十字社(以下、日赤)は、チリ赤十字社(以下、チリ赤)が進める復興支援に昨年7月から協力しています。漁具を失った人びとに対してボートやエンジンの提供を進めており、その配付がまもなく完了します。

1年間の任期を終えて帰国した秋元陽子駐在員は「地域全体の復興にはまだ時間がかかりますが、生活の手段であるボートを得たことで、被災者は復興への確かな一歩を踏み出しています」と話します。

配付したボートやエンジンが支える多くの人の生活

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父親のボートに喜ぶ子どもたち ©ChRC

本事業では全長7.7メートルほどの小型のボートを配付しています。チリの零細漁民は通常1隻のボートに3~4人が一緒に乗り込み、沖合10キロメートルほどの沿岸部で漁を営んでいます。

一人が数人の家族を養っているため、ボート一隻の配付はおよそ20人の生計支援につながる計算です。

チリの零細漁業は登録制のため、赤十字は政府からの登録情報の提供を受け、4期に分けて配付を実施しています。

合わせて150人の漁民に対し、個々のニーズにあわせてボートや馬力などが異なるエンジン、またその両方を提供してきており、来月の配付を最後に完了します。

スタッフが34の漁村を何度も訪問

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現場を訪問するチリ赤十字社のスタッフ ©ChRC

赤十字が提供するボートの規格はすべて同じですが、エンジンは漁場の環境に合った馬力のものを配付する必要があり、秋元駐在員やチリ赤のスタッフが現場に何度も足を運び、確認を行ってきました。

今回の支援対象地域は、チリ赤本社があるサンティアゴから車で6~7時間のマウレ州やビオビオ州の漁村です。

南北に細長い国土のチリには漁村が点在しているため、支援には周到な計画が必要です。秋元駐在員は「長時間の車での移動は大変ですが、支援がなかなか届かない小さな漁村ばかり。訪問するたびに感謝され、やりがいを感じます」と振り返ります。

チリの人びとの感謝と祈り

今年3月11日の東日本大震災は、チリの人びとにも大きな衝撃を持って受け止められました。「陽子の国の皆さんは大丈夫ですか」と日本を気遣う電話などが、秋元駐在員の元にも多く寄せられたといいます。

チリ赤も募金活動を展開。支援した漁村から漁獲量の一日分に相当する募金が、またチリ大地震直後に日赤が支援したパラル病院では募金キャンペーンが行われました。

秋元駐在員は次のように語ります。「チリの被災者から『自分たちも復興に励んでいます。日本の皆さんのためにも祈っています』というメッセージを預かってきました。自らも被災されている方がたですから、心からの思いやりを感じました」

今後も沿岸部の生計再建を継続

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贈呈式で日赤職員に感謝する受益者 ©ChRC

今年2月には日赤職員が現地に赴き、ボートやエンジンの配付式に出席、また漁場の様子などを視察しました。

震災直後に比べて漁港に集まるボートも増え、漁場にも少しずつ活気が戻ってきています。

被災者が本来の生活を取り戻すには、地域のさらなる経済回復が不可欠で、獲った魚を加工するなど付加価値を高める活動を展開することが求められています。

日赤はこうしたニーズを受け、日本の皆さまからチリの被災者の方のために寄せられた救援金をもとに、今後1年間、沿岸部での支援を継続していきます。