災害に対する早期警戒と早期行動が重要 ~「世界災害報告2009」日本語要約版が完成~

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国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)が世界各地で発生する災害とその要因・対策などをまとめた「世界災害報告2009(World Disaster Report)」(年鑑)の日本語要約版が完成しました。

連盟のベケレ・ゲレタ事務総長は巻頭で、「気候変動による災害の脅威に対しては、今日の世界経済危機と同等の世界的な対応が必要」と述べ、災害が起こってからの救援活動ではなく、その予防活動にもっと力を入れる必要があることを強調しています。

さらに、「災害は地域住民が災害に対応できなくなったときに災害となります。世界で最も貧しく、ぜい弱な人びとがこの災害の危険に最もさらされています」と述べています。

本報告では地域住民を中心とした早期警戒(Early warning)と早期行動(Early action)の重要性を強調し、中長期的に人びとの災害に対する「抵抗力」を強化する必要性が強調されています。

赤十字の取り組み 他機関との協力

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地域住民を中心とした「早期警戒、早期行動」を可能にするために、国際赤十字はさまざまな取り組みを行っています。

早期警戒に基づいて、各国赤十字社・赤新月社が避難行動や緊急支援などの早期対応が取れるように災害救援緊急基金(DREF:Disaster Relief Emergency Fund)という仕組みを活用しているのはその一例です。

最近では、小・中規模の自然災害、特に洪水の発生件数が増加しているため(図参照)、このDREFの拠出額が増加傾向にあります。

2004年までは年間約5億円以下であったDREFの拠出額は、2006年には約10億円、2007年には約12億円、そして昨年は約16億円まで上昇しました。世界的に気象関連の災害が増加傾向になる中で、連盟は今後もこの傾向は続くと予想しており、各国赤十字社・赤新月社からはDREFによる継続的な支援が求められています。

また、連盟は2002年に赤十字・赤新月気候センター(Red Cross/ Red Crescent Climate Centre)を設立し、各国赤十字社・赤新月社の災害に対する早期警戒、早期行動を支援するための研究に取り組んでいます。

さらに、気候と社会に関する国際調査機関(IRI:International Research Institute for Climate and Society)や米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)、国際地球科学情報ネットワークセンター(CIESIN:Center for International Earth Science Information Network)と協力して、情報収集や情報交換を行っているほか、マラリア早期警戒システム(MEWS:Malaria Early Warning Systems)を使ってマラリア発生の早期警戒および早期行動に取り組んでいます。

このような早期警戒システムは災害予測に関する情報提供の仕組みや対応体制が整備され、各国政府や援助機関の災害対応能力が強化されてこそ意味があります。本報告では、「災害発生への対応は、その予防にかかる経費の4倍に上る」と述べ、世界は早期警戒システムを最大限に活用して適切な早期行動を取ることが最も重要であると強調しています。