インドネシア・西スマトラ:住宅の耐震化に貢献

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必要とされるうち、65%の再建が完了しました

インドネシアのスマトラ島・パダン沖で2009年9月30日、マグニチュード7.6の地震が発生し、死者1195人、被災家屋19万9916戸の甚大な被害が生じました。

日本赤十字社(以下、日赤)は国際赤十字を通じて、緊急救援から復興支援まで活動を継続しています。

復興支援の一つとして、住宅の耐震性を向上させるために必要な知識と技術を普及するワークショップを、建築職人や住民736人を対象に2010年10月から12月まで、計11回にわたって行いました。

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ルマ・カダン様式の建物

西スマトラでは古くからルマ・カダン(大きな家の意味)と呼ばれる水牛の角をモチーフにした屋根の形状を持つ家が建築されていましたが、生活様式の変化に伴い、現在ではレンガ造りの住宅が主流となっています。

ただ、住民は住宅の耐震性よりも大きさや装飾を重視する傾向が強く、2009年の地震によって大半の住宅に被害が生じたことの要因とも考えられています。

>西スマトラでは近い将来、大規模地震の発生が予測されており、耐震性のある住宅の建設が被害の軽減につながることから、このワークショップを行いました。

ワークショップでは、西スマトラ州政府が定めるガイドラインを元に、適切なコンクリート配合比や柱と梁の結合方法など住宅の耐震化に必要な技術のほか、地震によって生じた壁のヒビを補修する方法など、建築職人からの要望にも応えた講義や実技研修を行い、大きな反響を得ました。

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再建する住宅は耐震性に配慮したいと話す女性

日赤は、今月6月に住民や建築職人らにインタビューし、事業の成果を確認しました。

以前に比べて耐震化への関心が高まり、最近では住民が建築職人と意見を交換しながら、家を補修、再建するケースが増えているとの回答がありました。

耐震化に配慮した住宅建設のほうが、多くの資金と長い時間がかかるものの、住民が職人に対して学んだ知識や技術を生かすよう、求めているとのことでした。

また、事業のインパクトとして、ワークショップに参加した住民が積極的に家族やコミュニティーにも住宅の耐震知識や技術を伝えていることや、地域の集会所に3日分の米を備蓄するようになったことなど、自発的に家族や地域を守ろうという活動が見られました。

ワークショップ開始頃から、被災世帯に再建資金を支給するインドネシア政府のプログラムが本格化し、住民らはこの資金などを元手に、地震から1年10カ月経過する現在も、住宅再建に熱心に取り組んでいます。

しかし多くの場合、それでも再建に必要な資金が不足し、資金を確保できた段階で、少しずつ住宅の耐震化を進めているというのが現状です。ワークショップを実施した地域で耐震化が普及されるまで、まだ時間がかかるものの、配布した教材を参考にしながら必ず自身の住宅を耐震化したいと、インタビューした住民は明るい表情で話していました。

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インタビューに答える村長

事業を実施したガドール村の村長は、「ワークショップで学んだ耐震技術はとても参考になりました。配布された教材は写真やイラストが多く、地元の言葉によるナレーションが入ったCDも添付されていて、読み書きのできない住民も理解できます。村民を代表して、日赤の支援に感謝したい」と語りました。

日赤はこの事業で得られた成果を、今後の事業展開に役立てていきます。事業評価の詳細については、後日掲載する予定です。