ハイチ:医療チームが7カ月間にわたるコレラ救援活動を終了

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2010年1月の大地震からの復興に向けて少しずつ動き始めた昨年10月以降、コレラ感染が拡大したハイチ共和国。

日本赤十字社(以下、日赤)は医療チームを派遣し、昨年11月から治療や現地医療機関の強化などの支援を行ってきましたが、今年6月末には活動を現地保健省に引き継ぎ、7カ月にわたるコレラ救援活動を終了しました。

一方で、日赤は地震からの復興支援も継続しています。

劣悪な衛生環境が招いた感染拡大

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ポルタピマンのコレラ治療ユニットで、子どもの治療にあたる日赤の医師

昨年10月中旬に始まったコレラ感染は、急速にハイチ全土へと広がる深刻な事態となりました。

今年に入ってから患者数は減少傾向にあるものの、今年6月時点での患者数は延べ34万人、死者は約5400人に達しました。

ハイチでは安全な水の確保が難しいことや劣悪な衛生環境が、感染の広がった要因として挙げられています。

また、過去数十年にわたりコレラ感染が報告されていなかったハイチでは、コレラに対する住民の知識が低く、医療関係者も治療のノウハウを持っていませんでした。このことも拡大を招いた原因の一つと指摘されています。

日赤は昨年11月からの7カ月間で延べ6班31人の医療チームを派遣。ポルトープランスの西側カルフール市にカナダ赤十字社と共同でコレラ治療センターを設置したほか、南県ポルタピマンでコレラ治療ユニット(CTU)の運営を行い、併せて約2600人のコレラ患者を治療しました。

地域活動が重症化を防ぐ

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治療法に加えて、消毒用の塩素水の使用など、院内感染の防止について講習

日赤からの医療チームは、地元医師や看護師などの現地スタッフにコレラ治療法などを指導し、CTUの運営を行い、ポルタピマンでのCTUは南県西部で機能している唯一の治療施設として重要な役割を担いました。

一方で、ハイチでは今後もコレラの流行が懸念されていることから、地元の医療機関がコレラに対応できるよう、地域のクリニックを対象に感染予防の方法や治療法講習なども進めてきました。

また、現地保健省との協力のもと、地元公立病院に下痢疾患観察施設を建設したほか、特に感染者の多い地域では、診療所内に簡単な治療施設の設置も行いました。

いったん終息に向かった流行でしたが、雨期を迎え患者数が5月上旬から再び増加しました。しかし、流行当初に比べると患者の多くは軽症でした。日赤の取り組みや地元住民への予防啓発を行ったイギリス赤十字社の活動の結果、早めに治療を受けることの重要性や、下痢の症状が出て来た段階で経口補水塩を摂取し脱水症状を防ぐことなど、地元住民のコレラに対する知識が向上したことで、重症化を防ぐことができたと考えられます。

ポルタピマンでのCTUの機能は地元病院内に日赤の支援で建設された下痢疾患観察施設へ引き継がれ、今後は現地保健省が中心となってコレラ治療を行っていきます。

復興に向けて

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地域での健康問題と住民にとっての優先順位を話し合います

しかし、震災からの本格的な復興はまだこれから。復興に向けて、日赤は被災地の一つ、レオガン市での支援を昨年から継続して行っています。

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赤十字が修復した水源で、衛生問題や解決策に関して住民と協議

レオガンでは、井戸や地域における小規模給水ネットワークの修復や整備、トイレ設置の活動を通して、安全な水の確保や衛生環境の向上に向けた活動や、住民への保健衛生教育なども進めています。

住民への保健衛生教育は、地域から選ばれたボランティアを育てることから始めています。

そうした地道な取り組みを通じて、住民自身が地域の課題を発見し、解決していくことでコミュニティーの復興につなげていく予定です。