世界の赤十字社・赤新月社が被災地へ ~こころを重ねて 復興への希望をいま~

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日本国内だけでなく、世界に大きな衝撃を与えた東日本大震災。

海外の赤十字社には、各国の市民から多くの救援金が寄せられ、日本赤十字社(以下、日赤)はそれらを活用した被災者支援を進めています。

その支援内容の確認と被災地視察を行う「東日本大震災・支援国赤十字社会議」が5月9~11日、日本で開催されました。

生活再建、地域医療、福祉への支援を確認

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海外の赤十字社から日赤に寄せられた救援金は、6月1日現在で約230億円を超えました。さらに今後総額で330億円超が寄せられる見通しです。

この救援金に基づき日赤は、仮設住宅入居者への生活家電セット寄贈事業などに取り組んでおり、今後は大きな被害を受けた地域医療の復興支援、社会福祉施設などへの福祉車両寄贈事業なども進める予定となっています。

初日の会議には、20カ国・地域の赤十字社などから41人が参加。震災後の日赤の救護活動やボランティア活動などについての報告を受け、海外救援金を活用したこれらの被災者支援の内容を話し合いました。

原発事故への備えを

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世界で今後起こりうる大規模災害への対応も、会議では議論に。

地震と津波により深刻な原発事故が引き起こされた問題にからみ、参加者からは、福島での救護活動や将来の原発事故への対応についても質問が出されました。

日赤の近衞忠煇社長は「世界の約30カ国に400基以上の原発があります。今回の事故を踏まえて徹底的な対策が必要」と訴えるとともに、赤十字としても原発事故問題を国際会議の場で議論することが必要だとの問題提起を行いました。

「変化」に対応したグローバルネットワークの強化を

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国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)ベケレ・ゲレタ事務総長へのインタビュー

IFRCとして今回の震災をどうとらえていますか?

地震と津波に加え、原発事故が発生したことで、新しい災害状況が生まれました。これが、震災対策の進んでいた日本で起きた点に注目しています。世界が衝撃を受け、「災害の備えを強化すべきだ」という喚起を人びとに与えました。

こうした事態への日赤の対応をどう評価しますか?

日赤からの支援要請を受けなかったにもかかわらず、各国赤十字社が自主的に救援金募集に取り組み、多くの救援金を寄せた点についても、世界の赤十字の連帯する姿を示せたと評価しています。

今後への課題は?

今回、海外の個人や企業から日赤に直接、救援金が寄せられるケースが目立ちました。従来の国際的な救援金送付の仕組みでは、自国の赤十字社へ寄付を行い、それがIFRCを通じて被災国赤十字社へ渡されました。

しかしオンライン募金などウェブ環境の発達で、世界の人びとと被災国赤十字社が直接つながる環境が生まれているのです。そうした「変化」が今回の震災で浮き彫りになりました。そこに対応した新しいルール作りは課題の一つといえるでしょう。