ハイチ大地震から1年:赤十字の支援活動

ポルトープランスの避難民キャンプで手を洗う子どもたち ©Keiichiro Asahara

ポルトープランスの避難民キャンプで手を洗う子どもたち ©Keiichiro Asahara

ハイチ共和国でマグニチュード7.0の大地震が発生してから、本日1月12日で1年が経過しました。

地震は人口の3分の1に当たる約300万人が暮らす首都ポルトープランスとその周辺を直撃し、死者約22万人、負傷者約30万人、被災者は国民全体の5分の1に当たる約200万人という甚大な被害となりました。

大統領府や政府省庁をはじめ、病院や学校など多くの建物が倒壊。約18万8000戸の家屋倒壊により、多くの人々が家を失いました。

また、昨年10月にはコレラの感染拡大が始まり、約3,700人が亡くなるという、新たな試練に見舞われています。

日本赤十字社(以下、日赤)は、多くの方々からお寄せいただいた約21億円の救援金をもとに救援活動を実施。現在も復興に向けて支援を継続しています。

日赤の支援活動

緊急救援

地震発生当日の1月13日に職員を現地に派遣。以後、6カ月間にわたり6班66人の医療チームが、震災で壊滅的な打撃を受けた現地の医療施設に代わって医療サービスの提供を行い、首都ポルトープランスで1万1728人、レオガンで1万1259人を診療しました。

また、震災後には雨季やハリケーン到来の季節が続いたため感染症の流行が懸念されていました。そこで、感染症を予防するために大規模な予防接種キャンペーンを行い3万5217人に対してワクチンを接種したほか、日赤の診療所を訪れた人びとに対する衛生知識の普及も行いました。

復興支援

衛生教育活動を通して、手洗いの必要性や正しい手洗い方法を伝える(中央は松近看護師)

衛生教育活動を通して、手洗いの必要性や正しい手洗い方法を伝えます(中央は松近看護師)©Keiichiro Asahara

ハイチは、震災前から西半球で最も貧しい国であったため、復興支援では地震の被害を再建するだけでは十分とはいえません。

震災前でも、安全な飲み水を得ることができたのは人口の6割、家にトイレがあるのは約2割。

ハイチが国として自立し、発展していくためには、保健医療施設の整備や母子保健サービスの提供、感染症の予防、性暴力からの女性の保護など、より良い状況につなげるための支援が必要となってきます。

そこで、日赤は現在、保健・給水衛生事業を行い復興に向けて支援を継続しています。

コレラ対応

復興に向けて少しずつ動き始めた昨年10月中旬。地震の被害が少なかった中部のアルティボニット県で、コレラの感染が確認されました。その後、コレラは予想を上回るスピードで全国に拡大し、本年1月7日時点で18万人を超える感染、約3700人の死者が報告されています。

こうした深刻な状況に対して日赤は、昨年11月15日から医療チームを派遣。2カ所でコレラ治療施設を設置し、患者の治療にあたっています。

国際赤十字による支援活動

ハイチ赤十字社は、震災直後からボランティアを動員して救援活動を展開。国際赤十字は、21の緊急対応ユニットを動員するなどして被災者にとって必要とされていた仮設住宅、保健医療、物資配付、給水・衛生の分野で緊急救援を実施しました。

ハイチ地震にかかわる救援・復興に対しては120カ国以上の赤十字・赤新月社が支援するなど、1カ国に対する支援としては国際赤十字として最大規模となりました。ハイチの救援・復興に対しては約965億円が寄せられています。

1年が経過した現在も、いまだに多くの被災者が支援を必要としています。国際赤十字は他の支援機関と連携して、首都被災で打撃を受けた現地政府の負担を軽減するため、保健医療、給水・衛生のサービス提供や、人材育成などの支援を行っています。

国際赤十字として、現在までに15万7021世帯に対して毛布、石けん、バケツなどの救援物資を配付、21万7000人を診療、毎日約31万人に対して飲料水の提供を行いました。また、キャンプでの仮設テント用のビニールシートの取り替えなど物資配付も継続していますが、仮設住宅の建設(11月末までに約2,600戸を建設)、学校、医療施設の再建など、徐々に今後の復興につながる支援に移行しています。