海外たすけあい

「NHK海外たすけあい」とは

「NHK海外たすけあい」は日本赤十字社とNHKが毎年12月に実施している募金キャンペーンです。
皆様からのご寄付は、世界各地で紛争、災害、病気などにより苦しんでいる人びとを支援する活動に役立てられます。
1983年から2022年までに世界166の国と地域に支援を届けました。

特徴1 今年で41回目を迎える、歴史と信頼のある募金キャンペーン

国際赤十字創設120周年、NHKテレビ放送開始30周年という記念の年であった1983年にはじまり、現在まで長きに渡って続いている歴史のある募金キャンペーンです。

特徴2 必要な人に必要な支援を 対象を絞らず、幅広く行き届く支援

女性や子どもはもちろん、より幅広い人びとに支援を届けるとともに、紛争や災害など、様々な危機を対象に支援を行っています。

画像

特徴3 ご寄付が実際の支援に充てられる割合は、94%

ご寄付の94%を実際の海外支援活動に充てており、緊急救援から復興支援、開発協力に至るまでご寄付を有効活用しています。

画像

赤十字の支援活動

紛争に伴う難民・避難民などへの対応

 昨年2月以降にウクライナ各地で激化した戦闘などにより、国内で避難している人々の他、未だ多くの人々が国外に避難し[1]、緊張と不安の中で過ごしています。また、中東地域やバングラデシュでは、人道危機が長期化し、多くの難民・避難民が厳しい環境下での生活を強いられ続けています。世界の難民・避難民の数は、1億人以上[2]に上ります。
 赤十字は、各国のニーズに応じて医療支援、救援物資・医薬品の配布、こころのケア、給水支援、生計支援、離散家族支援など現地の人々に寄り添った支援を継続しています。

[1] United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs: OCHA
[2] UNHCR

20230810-d36f8d8fc1fb583f2bbbfe04941ee691c3c9de65.jpg
イヴァノフランキウスク州の村で巡回診療サービスを受ける住民

頻発、激甚化する災害への対応

 世界各地において、気候変動の影響と見られる災害が頻発しています。食料危機や保健衛生状況にも影響があると言われています[3]
 赤十字は脆弱な立場に置かれた人々への食料支援、現金・物資給付による総合的な生計支援、医療サービスの提供や給水・衛生及び衛生促進、こころのケアのほか、小規模農家に対して種苗や農具、技術支援を行うなど様々な支援を実施しています。

[3] IPCC – Red Cross Red Crescent Climate Centre

20230810-8e2dfb9d65a69224b8da23d711c6ec689550b88b.jpgソマリアで子どもの栄養失調状態をチェックする赤十字ボランティア©IFRC

人びとのレジリエンスを高めるために

 赤十字では、平時から人々が予測不能な災害に備え、自ら対応し、立ち上がる力、すなわち「レジリエンス」を高めるための防災教育や救急法の普及などを行っています。
 レジリエンスの礎になるのが、人々の心身の健康です。
 世界では、全人口の少なくとも半数の人々が基本的な保健サービス(衛生的な上下水道の利用や感染症予防教育、母子産前産後健康診断等)を受けることができていないといわれています[4]。また、年間250万人が亡くなるともいわれるエイズ、マラリア、結核の三大感染症のほか、上述の大規模な人口移動や気候変動による影響は、厳しい環境にいる人々のリスクをさらに高めています。困難な状況下にある人々への支援に加え、「自らの命と健康は自分で守る」という意識を一人ひとりが持つことが何より大切です。赤十字は、現地のボランティアとともに、地域の生活習慣や文化をよく理解した上で、病気やけがの「予防」のための啓発活動も展開しています。

[4] World Bank, Tracking Universal Health Coverage: 2017 Global Monitoring Report, pp.14

20230810-3824a988219b3d2e9059e982a669e47d32e9176b.jpgルワンダと東京の子どもたちが交流をした時の様子

世界から届いた「ありがとう」の声

画像


ラリサさんとお母さん(ウクライナ)

「私たちはウクライナ東部の町に住んでいました。武力紛争当初、私たちは地下室で2ヶ月間過ごしましたが、戦闘がそこまで迫っていました。ある日、母の体調が悪くなってしまい、私たちは逃げることにしました。今は中部の町に暮らしています。ここに着いてから赤十字に出会って、私も食べ物や衛生物資など必要な支援を得ることができました。」
(写真:©イタリア赤十字社)

画像


ファルヒヤさん(ケニア)

「近年、村ではお金も食料もまともにない日が続き、私の商売もうまくいかず、生活はかなり厳しかったです。 でも、赤十字の現金給付による支援により、村人はまた買い物ができ、私も収入が得られるようになり、生活に必要なものや子どもたちの学費に充てる
ことができています。 今では村人たちの生活も少し良くなり安心しています。」
(写真:©IFRC)

画像


ノビリタさん(インドネシア)

ジャワ島に暮らすノビリタさんは、日本赤十字社の支援によりインドネシア赤十字社が開催したさまざまな防災ボランティア研修にこれまで参加してきました。今では若手ボランティアたちのまとめ役を担うお姉さんです。
「新しいことを知って、学んで、その知識を役立てることができるのが嬉しいです。活動を通じて、たくさんの人たちに出会えることも楽しみの一つです。災害時には被災した人の家へ駆けつけ対応したことも何度かありました。」

事業報告書

令和4年度「NHK海外たすけあい」(第40回)事業報告書