海外たすけあい

第37回NHK海外たすけあいキャンペーン結果報告

 日本赤十字社(以下、日赤)が、毎年12月にNHKと協働して実施する「NHK海外たすけあい」募金キャンペーン。1983年から始まり第37回目を迎える2019年度は、全国から6億5,656万1,824円の寄付をお寄せいただきました。皆さまからのあたたかいご支援に心から感謝申し上げます。

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2019年度の支援概要

 2019年度は「気候変動による人道危機と赤十字」をテーマとし、地球規模の気候変動がもたらす世界各地での紛争、災害、病気といった人道危機に苦しむ人びとへ支援を届けました。今まさにその場所で支援を必要としている人に手を差し伸べる「緊急救援」から「復興支援」、そして人々が自分たちの力で将来の災害などに立ち向かう力(レジリエンス)を高める活動を通じて、いま目の前にある、そして未来に続く人道危機に立ち向かいます。また、現地の赤十字・赤新月社の能力強化にも力を入れることにより、苦しんでいる人びと へいち早く継続的な支援を届ける体制作りにも貢献しています。



<紛争で苦しむ人々への支援>

 気候変動等による深刻な干ばつや洪水は、農作物の生産や所得の低下により社会不安を招き、国内外の対立を悪化させるなど、更なる難民や国内避難民の発生を引き起こします。シリアでは2011年以降紛争が続いており、国内外に避難した人は1,000万人以上にのぼります。また、2017年にミャンマーで発生した武力衝突により、隣国バングラデシュに70万人近くが流入し、以前からの避難民20万人と合わせて90万人以上が避難生活を強いられています。
 紛争等が原因で難民や国内避難民となった人びとは、医療や水、食糧など基本的な人道ニーズもままならない厳しい環境下での生活を余儀なくされています。赤十字は、各国のニーズに応じて、医療支援、救援物資や医薬品の配布、こころのケア、給水支援、生計支援、離散家族の安否調査などを実施しました。また、医療施設や医療従事者、一般市民が攻撃の対象とならないよう国際人道法の普及にも取り組みました。

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日赤看護師がバングラデシュ赤看護師による診療を支援       

   レバノンにおける日赤医師による現地スタッフへの
   
技術指導 

<災害で苦しむ人々への支援>

 アフリカ地域で洪水が頻発し被害が長期化する一方、干ばつにより深刻な食糧危機をもたらしました。また、サイクロンは家屋の倒壊や感染症等による健康被害を招きました。アジア地域では豪雨災害等が頻発し、これによる土地の脆弱化等で今後さらに災害リスクが高まることが予想されます。赤十字は、緊急時の医療支援、救援物資の配布や給水支援、生計支援の実施に加え、地域コミュニティのレジリエンスを高めるための防災教育や救急法の普及、給水・衛生災害対応キットの整備等の支援も行いました。



<病気で苦しむ人々への支援>

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ブルンジにおける映画を通じたコレラ予防の
教育活動の様子

 世界では、全人口の少なくとも半数の人々が基本的な保健サービスを享受できていないと言われています。人びとのいのちを守るには、「自らのいのちと健康は自分で守る」という意識を一人ひとりが持つことが何より大切です。赤十字は、現地住民とともに、地域の生活習慣や文化をよく理解した上で、まずは耳を傾けてもらえるよう、村々を回って講習会や手作りのモバイルシネマ(屋外映画会)を開くなど、趣向を凝らした取り組みを通して病気やけがの「予防」の大切さを広める活動を展開しました。



世界から届いた「ありがとう」の声

ありがとうの声①.jpg

・「将来は看護師さんに。」
― バングラデシュ、キスモタラさん
「避難民キャンプにある赤十字の診療所で通訳のボランティアをしています。私にとって、この役割につけたことはとても幸運でした。最初は医療のことは全く分かりませんでしたが、専門知識を持った人たちと一緒に活動することで様々な知識が身についたと思います。避難民の人々を直接サポートすることができて嬉しいです。将来は看護師さんになりたいと思うようになりました。たくさんの支援を本当にありがとうございます。」

ありがとうの声②.jpg

・「赤十字の支援に感謝。」
― レバノン、アフマドさん一家
「5年前にシリアから逃れてレバノンに来ました。1年前に現在の住居に住み始めた時には、野外か不衛生な共用トイレで排泄していました。このため、衛生面の懸念はもとより、土地所有者との関係が悪化してしまいました。現在は、赤十字の支援により私たちの家族用のトイレが設置され、自分でトイレの掃除と管理をしており、土地所有者との関係も良くなりました。」



これからも、紛争や災害、病気で苦しむ人々を救い続けるために、引き続きのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。



■ 特別対談 ~気象予報士 依田司 × 日本赤十字社 国際部長 田中康夫 ~はこちら:
https://weathernews.jp/s/topics/201911/210195/

第36回NHK海外たすけあいキャンペーン結果報告

皆様の温かいご協力により、6億3,609万5,488円のご寄付を頂戴いたしました。
いただいたご寄付は、 およそ60の国と地域の支援に活用させていただきました。

平成30年度「NHK海外たすけあい」(第36回)事業報告書(概要版)

平成30年度「NHK海外たすけあい」(第36回)事業報告書(詳細版)

日本赤十字社は、たとえば世界各国で起きている以下のような事業に支援を続けます。

<紛争で苦しむ人々への支援>

2010年に始まったアラブの春に端を発する民衆蜂起で、紛争状態となったシリア。100万人近くの難民が発生して9年が経ちますが、安全上、他団体の支援が届かないこの地で、赤十字のボランティアが救援物資を避難民に直接届ける等の支援を続けています。

<災害で苦しむ人々への支援>

マグニチュード7.5の地震が発生したンドネシア中部スラウェシ島。赤十字は被災者への食料や水などの救援物資の配布、仮設診療所での医療支援を行っています。地震で建物の下敷きになったファトニダさんは赤十字の医療班のおかげで、避難していたテントの中で無事に出産を迎えることができました。

<病気で苦しむ人々への支援>

世界には安全な水の入手が難しい国や、衛生的なトイレの普及率が低い国が多くあります。もともと貧しい地域でも、赤十字のボランティアが中心に住民集会等を活用して呼びかけることで、衛生環境の整備や健康教育活動が広がっていきます。

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NHK海外たすけあいとは?

「海外たすけあい」は、日本赤十字社が、日本放送協会(NHK)と協力して毎年12月に実施するキャンペーンです。

1983年に第1回目が実施されて以来、これまでに世界157か国の人々へ支援を届けることができています。
世界には、洪水や地震による自然災害で被災した人だけでなく、紛争により祖国を離れなければならなくなった人や、保健衛生の弱体により感染症に悩まされる人など、様々な理由により命の危機に晒され、支援を必要としている人々がたくさんいます。緊急災害のみならず、ニュース性に乏しく関心が集まりにくい途上国等で被災者の命と健康を守る活動を展開しています。

「海外たすけあい」は、苦しんでいる人の力になりたいという思いを持つ日本の皆さまと世界各国で支援を必要としている人々を繋ぐキャンペーンです。