患者さんに安全な血液製剤をお届けするため、ラオス赤十字社の血液事業を日赤が支援

「安全な血液製剤を患者さんにお届けしたい」というラオス赤十字社(以下、ラオス赤)の声に応え、1995年から始まった日本赤十字社(以下、日赤)の血液事業支援。日赤は血液製剤の製造手順の標準化などで協力し、ラオスで使用される血液製剤の品質向上に貢献しています。

血液製剤の製造手順を標準化

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手順書に沿って業務を行うラオス赤職員

ラオスは日本の本州とほぼ同じ広さの東南アジアの一国です。タイとの国境沿いを流れるメコン川や多くの山など、豊かな自然に恵まれた国土を持ちます。

日赤はラオス赤からの要請に応えて1995年、血液事業の支援を開始しました。当時のラオスでは、輸血を必要とする場合は供血者へ謝礼を渡すなどして、血液を確保していました。

しかし、日赤が職員を現地へ派遣し、資機材の提供や技術協力を行った結果、2003年には首都ビエンチャンで血液製剤の原料となる血液を100%無償献血により、確保できるようになりました。

2012年からは6カ年計画で、血液事業における品質保証機能と運営管理機能の強化に焦点を当てた支援を開始しました。採血から血液製剤製造までの工程を標準化した手順書をラオス赤とともに作成し、その運用に伴う教育訓練も実施しています。日赤は11月、ラオスに技術職員を派遣し、地方の血液センターでの手順書の運用状況の調査とアドバイスを行いました。

安全な血液製剤を患者さんに届けたい

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日赤職員と手順書を参照しながら作業を進めるラオス赤
職員(写真右から2番目がワンビルンさん)

医師の資格を持つワンビルンさんは、ラオス赤中央血液センターの品質管理部門の職員で、地方の血液センターを指導する立場です。

今回、ラオス南部サバナケット県にある血液センターを日赤の職員とともに視察。

「日赤には以前、資機材の提供や技術協力をしてもらいました。日赤とともに私たちが作り上げた手順書に沿って業務を行うことで、さらに安全な血液製剤を多くの患者さんに届けられると思います」と話します。

ワンビルンさんは視察後、「手順書を守る重要性に対する職員の理解を深める必要があります。私たちの仕事は輸血を必要とする患者さんのいのちに大きく関係しているという意識を、さらに強く持ってほしい」とサバナケット県の血液センターに要望を伝えました。

ラオスでは、患者さんの家族や病院職員が輸血に必要な血液製剤を血液センターまで取りにきます。交通事故のために緊急手術が必要になったある患者さんの家族は「安全な血液を供給してもらえるのはありがたいです。輸血をして孫のけがが治ってくれれば、本当にうれしい」と語りました。

今回の支援事業は2017年3月で終了する予定ですが、それまでにラオス赤が自らの力で品質の保証された安全な血液製剤を患者さんにお届けできるよう、日赤では現地の実情に合わせた支援に努めていきます。